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健保ニュース 2026年10月下旬号

9年度薬価改定に向け議論
中医協部会 負担減と創薬力の両立が焦点

厚生労働省は7日の中央社会保険医療協議会薬価専門部会(部会長・菅原琢磨法政大教授)に、令和9年度薬価中間年改定に向けた新薬に係る対応について意見を求めた。支払側委員からは国民負担軽減のために幅広い品目を中間年改定の対象にすべきとの意見があった一方、診療側委員と製薬業界の専門委員からはイノベーションや医薬品の安定供給を考慮し、対象範囲を絞るべきとの声が目立った。

厚労省は議論にあたり、3、5、7年度の中間年改定における対象品目の範囲や既収載品目の算定ルールを示した。

中間年改定は、平成28年末の4大臣合意において、市場実勢価格との乖離が大きい品目の薬価調整を目的に始まった。前回7年度の中間年改定では、国民負担の軽減と創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給確保の観点から、品目ごとの性格に応じた対象範囲が設定された。

具体的には、①新薬のうち、新薬創出等加算の対象品目は平均乖離率(5.2%)の1.0倍(乖離率5.2%)を超えるもの②新薬のうち、新薬創出等加算の対象外品目は平均乖離率の0.75倍(同3.9%)を超えるもの③長期収載品は平均乖離率の0.5倍(同2.6%)を超えるもの④後発品は平均乖離率の1.0倍を超えるもの──を対象とした。

これまでの創薬イノベーションの評価の取り組みについては、新薬収載時、既存の薬や治療に比べ高い有効性や安全性を有する新たな作用機序(薬の効く仕組み)を評価する「有用性加算」の適用品目数が、5年度以降に新薬として収載された191成分のうち、102成分で適用されたことなどを説明した。

改定時の評価では、革新的な新薬の創出を促進するため、新薬の市場実勢価格に基づく薬価の引き下げを猶予する「革新的新薬薬価維持制度」の適用品目数が、5年度370成分600品目、6年度314成分506品目、7年度372成分605品目、8年度383成分653品目と推移している。

国民負担の軽減に関しては、後発品販売開始後の長期収載品の薬価の段階的な引き下げや、医薬品の年間販売額が予想額の一定倍数を超えた場合などに薬価を引き下げる市場拡大再算定を挙げた。

市場拡大再算定の類似品の薬価引き下げ(いわゆる共連れ)は、創薬イノベーションとの両立の観点から廃止された。

健保連の佐竹陽一理事は、新薬も含め幅広く薬価改定の対象にすべきとした上で、限りある保険料を有効活用するためにも、イノベーションの推進と国民負担の軽減の両立が必要だと訴えた。

具体的には、市場実勢価格に連動しない算定ルールも含め、「算定ルールを全て適用し、イノベーションを推進しつつ、国民負担の軽減につなげていくべきだ」と主張した。

また、イノベーションへの評価については有用性加算の適用品目の増加や市場性加算、小児加算の適用状況から一定程度対応できているとの認識を示した。

江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、医療現場への供給不足が続いていることから、医療機関や薬局、流通の実情を勘案して対象範囲を検討する必要があると述べた。

また、「医療の質の向上の観点から、薬価改定で得られた財源を診療報酬との緊密な関係性の中で捉えることも重要だ」として、薬価の引き下げで生じた財源を医療の質の向上に活用する考えを強調した。

渡邊大記委員(日本薬剤師会副会長)は対象品目について、「少なくとも1以上の係数を乗じた範囲(平均乖離率が1.0倍以上)にとどめるべき」と主張した。

専門委員からは、国民負担の軽減に加えて「創薬イノベーションの推進と安定供給確保への配慮が不可欠だ」との意見があった。また、物価上昇が進む中、製造原価の上昇や国際環境の変化を踏まえた対応が必要だと強調する声もあった。

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