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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.81

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

日常の金銭管理サービスとは

認知症というほどではないけれども、物忘れが増えて日常生活に不安を感じている1人暮らしの高齢者は少なくありません。子どもが同居していれば手助けできても、遠くに暮らしているケースでは難しいこともあります。

M男さんの母親(90歳代)は、遠方の実家で1人暮らしをしています。実家までは片道6時間近くかかるため、頻繁には帰省できません。M男さんは「施設に入居して欲しい」のが本音ですが、母親は「この家で死ぬ」と頑なだとか。しかし、お金の管理が難しくなりつつあり、悪徳な訪問販売の餌食になっている様子。そこで、できるだけ母親の希望を尊重し応援しようと、「日常生活自立支援事業」のサービスを利用するようになりました。国の制度で、窓口は地元の社会福祉協議会です。

このサービスを利用すれば、「生活支援員」が定期的に自宅に訪問し、介護保険サービスの契約や支払い手続きのサポートをしてくれます。預金通帳や銀行印などを預かってもらったり、入出金を代行してもらったりすることもできます。入院時や、高齢者施設に入居した場合にも使えます。

利用するためには、親本人にこのサービスを利用する意思があり、契約内容をある程度理解できることが必要です。相談は無料ですが、手続きや金銭管理などのサービスを利用する際には、訪問1回当たり1200円程度の利用料がかかります。諸事情で親元に頻繁に行けない場合などには、一考の価値があるのではないでしょうか。

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