健康コラム

賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.138

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

医師とのコミュニケーションのあり方

相 談私(64歳・女性)は先日めまいがしたため、たまに行く内科クリニックを受診しました。ここ1〜2年、血圧が少し高いと指摘されることがあったので、それが原因かもしれないと気になったからです。

診察前に測った血圧は正常だったので、安心しました。その後、診察の結果、頸動脈エコー検査を受けることになりました。頸動脈エコーは院長の妻である医師が週に一度クリニックに来ておこなっているそうで、指定された日に検査を受けました。その結果、左右両方の頸動脈にプラーク(動脈硬化が進んだときに生じる病変)があると指摘されました。

その後、院長の診察室に呼ばれたのですが、検査をしたドクターが薬の処方の欄に「考慮」と書いていたようです。それを見た院長が「薬は考慮か…。どうしますか?」と聞くので、私は「薬はなしで、食事や運動など日常生活を工夫して様子をみていただきたい」と言ったら、「そんなことで動脈硬化がよくなるなんて聞いたことがない」と吐き捨てるように言われてしまいました。「つぎは血液検査の結果次第で」と言われたのですが、血液検査をいつするかも聞いていません。めまいとの関係の説明もなく納得いかないのですが。

コメント山口育子(COML)

「どうしますか?」と聞かれて自らの考えを伝えたのに、無下に否定されたのでは萎縮してしまいがちです。それだけに、やはりドクターにはなぜ患者の希望が受け入れられないのか、理由を説明してもらいたいものです。

このような言い方をされると、さらに質問をする勇気が出ないものですが、もし可能なら「それはなぜですか?」ともう一歩踏み込んで聞いてみることは大切だと思います。また、できれば希望を伝えるときは断定的に伝えず、「私の希望としては、できるだけ薬を使わない方法をとりたいのですが、それは可能ですか?」と聞けば、ドクターも考えを述べる気持ちになるのではないでしょうか。断定的に決定した事項のように伝えることで、治療方法を提示する立場にあるドクターは「できもしないことを」と気分を害することもあるようです。日頃から伝え方の工夫をしておくと、ドクターとの会話でも生かされると思います。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉 ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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