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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.96

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

実家の親をカメラで見守る?

両親とも健在なら、どちらかに何かあっても、もう一方の親が子に連絡したり、救急車を呼んだりすることもできるでしょう。しかし、1人暮らしだと誰にも連絡できないまま、最悪の場合は孤独死をしてしまわないかと不安になるものです。

遠方の親が1人暮らしをしているというH美さんも、もし倒れたら……と心配しています。「実家のリビングにカメラを取り付けて、パソコンやスマホから様子を見られるようにしたいと考えています」とH美さん。今はいろいろな商品があるので、設定自体はそれほど難しくないでしょう。実際、「これが実家の母なんです」といきなりスマホを見せる男性がいて驚いたことがあります。画面には、居間でテレビを見ている母親の様子が映っていました。

一方、カメラを使わず、人感センサーが人の動きを感知するタイプの「見守り」サービスもあります。親が普段通りの動き、例えば寝室から居間に移動したことなどを、子はスマホで確認することができます。しかし、映像が映らないセンサータイプでさえも、親にとってはしっくりこないこともあるようです。「見守りセンサーを付けたところ、最初は父も喜んでいました。しかし、数カ月すると『見張られているようだ』と言い出し、結局撤去しました」という人がいました。

カメラやセンサーで見守るときには、子が良かれと思っても、親にとっては「余計なお世話」となることも……。「安心感」と「プライバシー」のバランスは難しいものです。検討する際には、事前に丁寧な話し合いを心掛けましょう。

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