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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.92

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

別居の親の詐欺被害を防ぐ

高齢者をターゲットにした詐欺が増えています。しかし、内閣府の「特殊詐欺に関する世論調査」(2017年3月公表)によると、「自分は詐欺被害に遭わないと思う(どちらかといえば、を含む)」が約8割。しかも年齢が上がるほど被害に遭わないという意識が高くなり、被害防止対策を行わない傾向があるようです。

M美さんの母親(80代)は遠く離れた実家で1人暮らしをしています。M美さんが「詐欺の電話が多いから留守番電話にしておいて」と言っても、母親は「私はだまされない。せっかくかかってきた電話に出ないわけにはいかない」と拒否。そんな折、母親の暮らす自治体で「簡易型自動通話録音機」を無料でレンタルできることが分かりました。

受話器を上げると「振り込め詐欺防止のため、通話内容を録音します」と音声が流れて会話内容を録音するものです。メッセージが終了してから会話を始めます。留守番電話にする必要もなく、操作の煩わしさもないため、母親もすんなり受け入れたとか。「電話をかけてきた母の友人も、『これ、いいね!』とレンタルして取り付けたらしいです」とM美さんはにっこり。

振り込め詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺は日々進化しており、誰もがだまされる可能性があるといえるでしょう。多くの自治体で被害を防止するための機器を貸与、紹介しています。電気店でも販売されています。また、詐欺犯は離れて暮らす家族を名乗ることが多いので、電話をかける際には「合言葉」を決めて用いるなど対策を講じたいものです。

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