健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.67

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

治療の手立てがない?! セカンドオピニオンを求めたい

相 談私(48歳・男性)は2年前に職場の検診で便潜血が指摘され、大きな病院で大腸内視鏡検査を受けました。その結果、大腸がんと診断されて手術を受けたのですが、その直後に肺に転移していることが分かり、ステージⅣの状態だと言われました。

その後、抗がん剤治療を受けてきたのですが、どの抗がん剤も効果がなく、先日、担当医から「これ以上治療方法はない」と言われてしまったのです。

私には高校2年生と中学1年生の息子がいて、まだ死ぬわけにはいきません。何とか治療を受けて可能な限り働き、子どもたちが大学を卒業して社会人になるまではがんばりたいと思っています。そのためには、たとえ根治の可能性が低くても、治療方法を模索したいと思っています。

そこで、担当医に「自分なりに調べて、治療の手立てがなくなったがん患者に対応している医療機関があると知りました。セカンドオピニオンを求めたいので、紹介状を書いてもらえませんか」と希望したところ、「セカンドオピニオンは治療方法がある人が求めるもので、治療の手立てがない患者には無駄です」と言って書いてくれないのです。担当医がそのような判断をすると、セカンドオピニオンを求めることは許されないのでしょうか。

回 答山口育子(COML)

担当医が「ほかに治療の手立てはない」と判断しているからといって、〝ほかの医師も同じ見解か確認したい〟〝何か治療方法があるなら試したい〟と思う患者の気持ちを阻止する権利はもちろんありません。むしろ、治療の手立てがないと言われたからこそ、別の医師の意見を求めたいと考えるのは、当然の心理だと思います。

相談者によると、セカンドオピニオンのための紹介状を書かないのはその担当医の見解とのことでした。そこで「別の医師の意見も聞いてみる権利を認めてもらいたい」と再度医師に伝え、それでもダメなら看護師に院内で紹介状を書いてくれるか、あるいはその担当医に書くように忠告してくれる医師はいないかなど相談してみてはどうかとお伝えしました。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

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〈月・水・金 10:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉 ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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