健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.73

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

高額なオムツ代の負担に悩む その現状と補助制度の有無?

相 談89歳の母は民間の有料老人ホームに入所しています。2年前に転倒して大腿骨(だいたいこつ)を骨折して以来、歩行がままならなくなり、オムツを使用するようになりました。昼はリハビリパンツで夜はオムツを使用しているのですが、それ以外にも尿取りパッドを1日に4~5枚使っていました。

ところが3カ月前、誤嚥(ごえん)性肺炎を起こして病院に搬送され入院しました。1カ月経って届いた請求書を見ると、オムツ代として8万円近くも請求されていたのです。驚いて病院に問い合わせたところ、「1日2,700円のオムツ代を請求している」と言われました。1日2,700円なんてとんでもないと思い、オムツは持ち込みにすることを交渉して了承してもらいました。

ホームにいたときのように、リハビリパンツとオムツ、尿取りパッドの3種類を使ったほうが母にとってはいいと思うのですが、費用がかさみます。そのため、オムツだけにして、安い薬局を探して購入しては病院に運んでいます。努力のかいがあって、現在は月約1万円のオムツ代で済んでいるのですが、退院のめどが立っていないのです。ほかにも費用が掛かりますし、いつまで続くかと思うと私自身の老後の蓄えが減っていくようで心配なのです。何か補助制度はないのでしょうか。

回 答山口育子(COML)

介護保険で利用する施設ではオムツ代も費用に含まれているのですが、医療保険の場合、医療機関で用意したオムツを使用すると実費としてオムツ代が請求されます。これをかなり高額に設定している医療機関も多く、相談者のように月約8万円というオムツ代は珍しくありません。相談者の場合は持ち込みを了承してもらったとのことですが、持ち込みさえ認めていない医療機関もあり、高額な負担に悩む相談は時折届きます。

オムツ代の補助をしている自治体はありますので、一度直接問い合わせてみることをお勧めします。ただし、補助制度を設けている自治体でも、自宅や居宅扱いの施設で使用するオムツ代を対象にしていることが多いようなので、どのような場合に補助されるのかを確認することが必要です。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉 ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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