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離れて暮らす親のケア vol.82

NPO法人パオッコ理事長の太田差恵子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差恵子

実家のヒートショック対策

「お正月に実家に帰省して、風邪をひいてしまった」と話す子の声をしばしば聞きます。築年数の古い木造一戸建ては隙間風が入り、特に水回りは暖房器具がなく底冷えするという声も。暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる温度の急激な変化は身体に悪影響を及ぼします。これは「ヒートショック」と呼ばれており、特に冬場は命を落とす高齢者も少なくないので注意が必要です。

R子さんも実家の浴室とトイレが寒く、冬場の帰省が憂鬱になるほどだったとか。しかし、ずっとそこで暮らしている両親(80代)は慣れているのか、寒いと言っても取り合ってくれなかったそうです。ところが、半年ほど前から父親が健康を害し、「要介護1」に認定されました。介護保険のサービスで、浴室と玄関に手すりを設置することになったとき、R子さんはこっそり暖房設備についてケアマネジャーに相談しました。そして、ケアマネジャーから両親に「ヒートショック」について説明してもらったそうです。

子どもから話しても耳を貸さなかった両親ですが、ケアマネジャーから言ってもらったところ、「それなら」とうなずきました。こうして手すりの工事を行うタイミングで、浴室と洗面、トイレに暖房設備を導入することに成功。両親とも、「身体がポカポカして具合が良い。もっと早く入れればよかった」と喜んでいるそうです。

実家の寒さが気になるなら、暖房設備の導入など対策を検討しましょう。子の言葉に耳を貸さない親には、ケアマネジャーやかかりつけの医師から提案してもらうとうまくいくかもしれません。

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