かしこい患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.26

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

子どもに病気の怖さを自覚させたい

相 談私(55歳・男性)には家族性高コレステロール血症という遺伝性の病気があります。気になって、1人息子が小学生のときに検査を受けさせたところ、息子にも遺伝していることが分かりました。医師からは「成人したら治療を始めた方がいい」と言われ、息子にもそのことは伝えていたので、息子も知識としては理解していたと思います。

その息子は現在、26歳です。大学のときから一人暮らしを始めたので、「そろそろ受診しないといけないよ」と常々伝えていたのですが、受診している気配はありませんでした。3年前に大学を卒業して地元に戻り職に就いたので、自宅から通勤するようになりました。一緒に生活を始めて、やはり大学時代には一切受診していなかったことが分かりました。私がやかましく言ったので、ようやく去年から重い腰を上げて通院し始めました。しかし、病気である自覚が乏しいのです。そのため、きちんと受診や服薬をしているかを当初は私から確認していたのですが、次第にうっとうしがられるようになり、最近では、かろうじて検査結果だけ見せてくれる程度です。それも毎回ではなくなり、「職場に置いてきた」「薬は職場に置いて管理している」と言うだけです。どうすれば病気の怖さを自覚し、病気に対して真剣に向き合ってくれるようになるのでしょうか。

コメント山口育子(COML)

とくに苦痛を伴う症状もまだ出ていないため、遺伝性疾患があるとは理解していても、実感を伴って病気であることを自覚できないのでしょう。病気の怖さを実感しているお父さんからすれば、その経験を踏まえて、少しでも若いときから自覚し、治療を受けて症状が最低限抑えられるようにしてほしいと願われるのは分かります。しかし、人間は辛さを実感できないと、なかなか予防の必要性を理解できないものです。それに、すでに成人しているだけに、強制的に受診や服薬を促すわけにもいかず、難しい問題だと思いました。

ただ、一方的に強く治療の必要性を説くだけでは、さらに反発されるだけかもしれません。それだけに、お父さんご自身の経験を伝えて、少し見守る姿勢も必要ではないでしょうか。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

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