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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.141

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

どのタイミングで介護保険の申請は可能?

親に介護が必要になったら、介護保険でサービスを利用できることは知っていても、「具体的な申請のタイミングが分からない」という声を聞くことがあります。

Eさん(女性40代)の父親(80代)は実家で1人暮らしをしています。足腰が弱ってきたため、Eさんが週に1回実家に行き、買い物をして、数種類のおかずを作り置きしているそうですが、「だんだん負担になってきました」とEさん。聞けば、父親は何もサービスを利用していないそう。介護保険の申請もしていません。理由を尋ねると、「父はサポートが必要とはいえ、何とか歩くこともできます。そんな状況では介護保険は使えないでしょ」と言います。

Eさんに限った話でなく、寝たきりに近い状態にならないと、介護保険を利用できないと思い込んでいる人が結構います。しかし、介護保険は本人が身の回りのことを自分でできなくなった場合や家族に介護を頼るようになった場合などが申請のタイミングなのです。 状況によっては、介護保険以外のサービスの利用を勧められるかもしれませんが、子が息切れする前に申請の相談を。窓口は親の暮らす地元の地域包括支援センターです。所在地が分からない場合は役所で確認を。

相談の結果、介護保険の申請を決めたら、認定の審査・判定のために主治医による意見書が必要となります。かかりつけの医師がいない場合は新たに受診が必要です。診療科に制約はありません。

申請してから認定結果が出るまで30日ほどかかります。家族だけで抱え込むと共倒れしてしまうので、早めにサービスを利用することを検討しましょう。

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