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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.70

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

親の確定申告は必要?

そろそろ確定申告の時期が近づいてきました。離れて暮らす親は課税されているかどうか知っていますか。

年金受給者の場合、申告手続の負担を減らすため、「確定申告不要制度」が設けられています。公的年金等による収入が400万円以下で年金以外の所得が20万円以下等の条件を満たせば、申告を行う必要はありません。

課税されている場合、日本年金機構から送られてくる「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出すれば、会社員の年末調整のように税の控除が反映される仕組みになっています。

Tさんの父親は実家で1人暮らししています。父親の様子を見るために帰省したとき、たまたま無造作に置かれている「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」が目に入りました。父親に聞くと、「1人暮らしだし、関係ないだろ」とひと言。しかし、提出しなければ、多くの所得税が年金から源泉徴収されてしまいます。父親に説明し、急いで提出したそうです。「もともとこういった書類の管理は母親が行っていたのですが、病気で亡くなり……」とTさん。

Tさんの父親のように書面の名称から、「扶養親族がいないから無関係」と思っている親は少なくないかもしれません。平成30年度分の申告書を未提出の場合は、今からでも提出しましょう。それ以前の分については、確定申告をすることで払い過ぎた税金を取り戻すことができます。また、提出しても、生命保険料控除や医療費控除等は反映されません。必要な場合は、確定申告を行います。

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