かしこい患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.37

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

診療拒否に納得いかない

相 談私(63歳・男性)は30代から2型糖尿病と診断されていたのですが、仕事が忙しくて定期的な受診がままならず、また食事も外食中心だったこともあり、気が付いたときにはかなり病状が悪化していました。そのため、40代半ばからインスリンを自己注射するようになり、さらに50代半ばからは人工透析が必要になり、今では週3回透析に通っています。

これまで3カ所の病院やクリニックで透析を受けてきましたが、なかなかいい関係性が築けず、現在通っている透析クリニックは4カ所目です。1年前から通っているのですが、徐々にスタッフとのトラブルが増えるようになってきました。

先日、私への対応を巡って看護師と言い争いになり、頭にきた私はそばにあったワゴンを蹴飛ばし、スリッパを壁に向かって投げてしまいました。それによって何かが壊れたわけでも、誰かがけがをしたわけでもありません。しかし、クリニックの院長から「あなたとは信頼関係が築けないので当院では対応できない。別の医療機関に行ってほしい」という趣旨の手紙が届いたのです。医師には、正当な事由なく診療拒否ができないという応招義務が医師法で定められていると聞いています。医師法違反なのではないでしょうか。

回 答山口育子(COML)

COMLには「受診を拒否された。応招義務違反ではないか」「正当な事由なんて、医療側の勝手な言い分ではないか」という訴えが時折届きます。しかし、応招義務とは「公法上の義務」であり、じつは患者に対する私法上の義務ではないのです。つまり、医師国家試験に合格して免許を得た際に、その医師が国に対して負うべき義務ということなのです。

さらに2019年12月に厚生労働省から応招義務に関する適切な対応について、医政局長通知が出され、その中で診療拒否が正当化される具体例の1つとして「患者の迷惑行為」により、診療の基礎となる信頼関係が喪失している場合が挙げられています。いくら物が壊れず、人がけがをしなかったとしても、暴力行為に相当するだけに、苦情を伝えるときの手段にも節度が求められると思います。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

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