健康コラム

かしこい患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.55

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

人工呼吸器は一度付けてしまうと、外せないのでしょうか?

相 談97歳の母は特別養護老人ホームに入所しています。新型コロナウイルス禍になってから直接会うことができず、ずっとオンライン面会をしていました。ところが、食事が取れなくなり、起き上がることもままならなくなったと施設から連絡があり、1週間前、10分間だけ特別面会することが許されました。久しぶりに会った母は衰弱していましたが、それでも何か言いたそうにしていて、直接会うことの喜びをかみしめました。

ところがその後、発熱したため、市民病院に救急車で搬送されました。長男(兄)に担当医から、「急変したときに、人工呼吸器を付けるかどうかできるだけ早く意思表示してください。ただし、人工呼吸器を付けるとご本人は苦しいですよ」と付けない方向へと誘導するような説明がされたらしいのです。姉は「何が何でも生きていてほしいから付けてほしい」と希望しています。私(3人きょうだいの一番下)も、以前テレビの特集番組で、人工呼吸器を付けても条件がそろえば外すことができるといっていたので、取りあえず付けて、皆の気持ちが変われば外してもらおうと提案しました。母には永遠に生きていてほしいのです。しかし、医師から一度付けると外せないと言われてしまいました。それは本当なのでしょうか。

回 答山口育子(COML)

一度付けた人工呼吸器を外す条件などについて、複数のガイドラインが出ていることは確かです。しかし現実には、そのときに意思表示した家族等の同意があったとしても、後から意見の異なる別の親族が異を唱えたりしてトラブルに発展することが懸念されます。それだけに、一度付けた人工呼吸器を外すことに難色を示す医療機関がほとんどです。また、市民病院は急性期病院なので積極的な治療の必要がなくなれば、すぐに転院の話が出てきます。その際に、人工呼吸器を付けていることで転院先の候補は減る可能性も高くなりますから、転院の相談をする地域医療連携室のスタッフに確認しておくことも大切です。「いつまでも生きていてほしい」という心情は理解できますが、患者本人の負担にならないかどうかを考えることも重要な視点です。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

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