健康コラム

かしこい患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.50

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

本人が望まない延命治療に思い悩む

相 談72歳の夫が外食中に食べたものを喉に詰まらせ、なかなか吐き出せずに苦しみました。お店の方が心配して、救急車を呼んでくださり、私も同乗して病院に運んでもらいました。夫はもともと身体障害2級で、思うように体を動かすことができません。そのことも原因して、普通の人なら何でもない食べ物を詰まらせてしまったのだと思います。

病院に運ばれたときには自発呼吸ができなくなっていて、医師から「人工呼吸器を装着します」と言われました。私はともかく助けてもらいたい一心で了承しました。

ところがその後、夫の自発呼吸は戻らず、ずっと人工呼吸器につながれたままなのです。実は夫は自分に障害があるということもあり、以前から延命治療は望まないと意思表示し、それを記した文書もあります。そこで、医師にそれを見せて、「いまの姿は夫が望む状態ではないので、人工呼吸器を外してほしい」と頼んだのです。ところが、医師から「一度装着した人工呼吸器は外すことはできません」と言われてしまいました。それなら、救急で運ばれたときに人工呼吸器の装着をする前に「付けてしまうと外せませんが、よろしいですか」と聞いてもらいたかったです。これまで考えて意思表示してきたことが生かせないなんて、夫に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

回 答山口育子(COML)

この方の場合、救急搬送された時点では救命治療の一環として人工呼吸器を装着したわけです。救急搬送を受け入れる医療機関にとっては、「延命」ではなく「救命」なので、少しでも望みがあるなら、助けようと懸命に治療をします。

一方、「延命」というのは、「このまま何もしなければ命を落とす状態だが、呼吸や水分補給、栄養、薬などの方法を使って命を延ばすか」という問題です。もちろん明確に線引きできる状況ばかりではないだけに、今回の相談のように、初めは救命だったのが、時間の経過と共に延命に移行することもあるわけです。一度装着した人工呼吸器を外すことは非常に難しいですが、院内の臨床倫理委員会に諮るなど、何か方法はないか再度よく医師たちと相談することが大切です。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

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