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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.63

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

「特養」の特例入所をチェック

「特別養護老人ホームは、なかなか入れず待機期間が長い」。同・別居にかかわらず、親の介護をしている子の多くがため息まじりに口にする言葉です。一方で、「待機者数が2016年4月時点で3年前に比べて3割減った」という報道を見聞きした人もいるでしょう。

3割減の最大の要因は? それは、入所要件が厳しくなったこと。以前は、「要介護1・2」も申し込めましたが、現在は「要介護3以上」に……。

けれども、「要介護1・2の親が入所できた!」と安堵する子に出会うことがあります。Mさんもその1人。故郷で1人暮らしをしている母親は、認知症の影響で徘徊するなどの症状があるため、Mさんは「気が気じゃなかった」と言います。しかし、1人で歩行できるせいか、介護保険の介護度は「要介護2」。ダメ元で親の暮らす地元の特養に相談に出掛けたところ、「特例」で申し込みが受けつけられ、3カ月後に入所が決まったといいます。

特例入所にはいくつかの要件がありますが、Mさんの母親は「認知症で日常生活に支障をきたす症状が頻繁にみられる」ことと、「単身世帯で地域の介護サービスが不十分」という項目に該当したようです(同居家族がいても、高齢または病弱であれば該当するケースも)。

特例要件を満たせばMさんの母親のように入所に漕ぎつけられるかもしれません。なかには、交通の便が悪いなどの理由で、待機者がほとんどいない特養もあると聞きます。頭から無理と決めつけず、必要であれば相談してみてはどうでしょうか。

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