HOME > 健康コラム > 季節の健康レシピバックナンバー > 今日もいきいき!旬ごはん vol.24

季節の健康レシピ

季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・調理師・ティーコーディネーターの楠本 薫先生がご紹介します。

今日もいきいき!旬ごはん vol.24

春らしさが見目にも楽しい
ふっくら鯛(たい)の桜蒸し

まだ寒さが残るものの、春の足音がだんだんと近づいてくる3月。食卓にも桜に菜の花と、春の彩りを取り入れてみました。

鯛の桜蒸しは、道明寺粉と桜の葉で、桜餅のように鯛の切り身を挟んだ一品。しょうゆとみりんで下味を付けた鯛はふっくらと蒸しあがり、桜の葉の香りと塩味がほどよいアクセントです。

鯛は春と秋が旬で、春に取れるものは桜鯛ともいいます。鯛の表皮が淡い赤色をしているのは、アスタキサンチンという色素を含んでいるから。これには強い抗酸化作用があり、脂質の酸化も抑制してくれるので、動脈硬化の予防につながります。また、眼精疲労・筋肉疲労を改善する働きもあり、疲れを感じたときに取りたい栄養素です。

付け合わせのアサリも春が旬で、鉄・亜鉛・カルシウムなどのミネラルが豊富。鉄はビタミンCとともに取ると吸収率が上がるので、ビタミンCが豊富な菜の花と一緒に作る辛子和(あ)えは、旬の味覚としても栄養面からみてもよい組み合わせです。

1人分191kcal、塩分0.9g

鯛(6×3㎝くらいの大きさ)   2切れ
〈下味〉
みりん 大さじ1
酒・薄口しょうゆ 各大さじ2/3
〈餅生地〉
道明寺粉 40g
水 大さじ4
塩 1つまみ
桜の葉(塩漬け) 2枚
桜の花(塩漬け) 2個
  • 下味の調味料を合わせ、鯛の切り身を10分以上漬け込む。
  • 道明寺粉をザルに入れてさっと水洗いする。水大さじ4を鍋に入れて火にかけ、沸騰したら道明寺粉を加える。中火にして木べらで混ぜながら加熱し、水気がほとんどなくなったら火からおろす。ふたをして布をかぶせて10分蒸らす。
  • ②に塩を1つまみ加え、すりこぎで少し粘りが出るまで混ぜ、餅状にする。
  • 桜の花は5分以上水に浸け、桜の葉はさっと水洗いをして適度に塩を抜く。
  • ①の鯛をペーパーに取り上げる。手のひらに桜の葉を裏返しに置き、上に③の生地を半量のせて、葉より少し大きく伸ばす。鯛を1切れのせて生地と桜の葉で挟み込む。
  • 上に桜の花を添え、蒸気の上がった蒸し器に入れ、中火で10分蒸す。火からおろして器に盛り付ける。
POINT
火からおろした鍋は、底からも熱が逃げていきます。布をかぶせる際は、鍋の下にも布を敷いて冷めるのを防ぎ、しっかり余熱で蒸しましょう。

1人分70kcal、塩分1.6g

アサリ(砂抜き済み) 12個
日本酒 大さじ1/2
菜の花 中4本
〈辛子しょうゆ〉
濃口しょうゆ・アサリの煮汁 各小さじ1/2
辛子 小さじ1/3
マヨネーズ 小さじ2
  • アサリと酒を鍋に入れてふたをし、中火で蒸し煮にする。殻が開いたらすぐに火からおろし身を取り出す。煮汁は置いておく。
  • 菜の花は下1cmほど切って熱湯で塩ゆでし、冷水に取る。3等分の長さに切る。
  • 辛子しょうゆの材料を混ぜ合わせた後、アサリの煮汁を加えて、あえやすい濃度に伸ばし、アサリと菜の花とあえる。

楠本 薫

楠本 薫(管理栄養士・調理師・ティーコーディネーター)

2003年より兵庫県西宮市甲東園で料理教室CookingCafé(クッキングカフェ)を主宰。
専門学校などで栄養学・食品学などの非常勤講師も務める。
教室では味噌・こんにゃくなど食品加工から、家庭料理、各国料理、お菓子まで、家庭で気軽に作れるレシピを心掛け、幅広い内容で教室を開催している。
イギリスの文化が好きで、中でも紅茶・紅茶に合うお菓子作りに深く興味を持つ。教室立ち上げ当初より紅茶教室も開講してきたが、2021年よりTea Mitten(ティーミトン)というスコーン中心の焼き菓子販売のお店を立ち上げ、通信販売も始めている。

バックナンバー

健康コラム
KENKO-column