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Dr.石川のちょっと健康相談 vol.22

テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に日常生活に感じるちょっとした不調について解説していただきます。これを機に、自分のカラダに目をむけてみてはいかがでしょうか。

1月のテーマは「胃が痛む」です。

1月「胃が痛む」

胃の粘膜に炎症やタダレがあると、胃酸による刺激が胃の筋肉組織などの末梢神経に伝わって痛みが起こります。暴飲暴食、刺激物の摂取、ストレスなどで胃酸が過剰に分泌されたり、胃の動きが亢進するなどでも胃の痛みは起こります。

また、加齢にともない胃壁を保護する粘液の分泌が減少して、胃の粘膜が障害されることが胃の痛みの原因になることがあります。

一般的には、空腹のときに胃が痛み、食事をとると治る人は、胃酸過多による場合が多く、「胃・十二指腸潰瘍(かいよう)」の疑いがあります。一方、食後しばらくしてシクシクと胃が痛くなる人は、「胃炎」が疑われます。

いずれの場合も、かかりつけの医師と相談して、上部消化管(食道・胃・十二指腸)の内視鏡検査(胃カメラ)を受けておくべきでしょう。中年以降の人は、とくに症状がなくても、年に1度は上部消化管の内視鏡検査を受けることをお勧めします。

年に1回、定期的に内視鏡検査を受けていた人が、たまたまある年に検査を受けずに翌年受けたところ、すでに初期の段階を超した胃がんが発見され、不幸な転帰をとった人がいました。もし、いつものように内視鏡の検査を受けていたら、初期の段階でがんが発見されていたはずです。

胃が痛くなったとき、しばらく検査を受けていない場合には、ちょうどいい機会なので、ぜひ医師に相談してみてはいかがでしょうか。

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