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リフィル処方せん

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リフィル処方せんRefill Prescription

国の制度として令和4年4月からおくすりの新しい受け取り方が導入されました。

リフィル処方せんがスタートしました

リフィル処方せんとは

症状が安定している患者について、医師の処方により、医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方せんを反復利用することができる仕組みです。
患者にとっては、医療機関を受診する回数が少なくなり、通院負担を軽減できるメリットがあります。
結果として、医療の効率化も期待されています。
※政府の推計により、医療費の伸びを0.1%抑制する効果が見込まれています

リフィル処方せんの仕組み

病状が安定し、通院をしばらく控えても大丈夫と医師が判断した場合が対象です。
投薬量に制限のある医薬品や湿布薬はリフィル処方せんにできません。
医療機関で処方せんを毎回もらわず、同じ処方せんを薬局で最大3回まで繰り返し使用できます。
リフィル処方せんの使用1回当たりの投薬期間と総投薬期間について、制度上の規定は原則ありません。医師が患者の病状等を踏まえて個別に判断します。
リフィル処方せんによる投薬期間が終了する前でも、病状が変化した場合等に医療機関を受診することは可能です。
令和4年度診療報酬改定で、処方せん様式が見直されました。

リフィル処方せん活用の留意点

リフィル処方せんを出してもらったら、

  • 1回目は、通常の処方せんと同様に、交付日を含めて4日以内に薬局で調剤してもらいます。2回目以降は原則、前回の処方期間が経過する日を予定日とし、前後7日以内に薬局で調剤してもらいます。
  • 安心・安全な服薬治療には、薬剤師から継続的に薬学的管理指導を受けることが重要です。同じ薬局で調剤してもらうことが推奨されます。
  • 薬剤師は患者の服薬状況等を確認し、リフィル処方せんによる調剤が不適切な場合、調剤を行わずに受診勧奨を行い、処方医に情報提供します。
  • 次回の調剤予定日に患者が薬局に行かない場合、薬剤師から電話等による連絡が来ます。他の薬局での調剤を申し出れば、希望する薬局に必要な情報が提供されることになります。

リフィル処方せんの期間中でも、患者が自らの意思で医療機関を受診することは妨げられません。
生活習慣病等の場合、服薬に平行して重症化予防に取り組むことが重要です。

お薬の処方と受診の実態

健保連は健保組合の協力を得て、外来レセプトデータを調査しました。
180日以上にわたり同じ内容の処方が続いている場合を「長期Do処方」と定義して分析しています。
※長期Do処方の患者がすべてリフィル処方せんの対象になるわけではりません。

同じ処方が続く疾患の年代別順位

  • 長期Do処方患者の疾患は、40歳以上においては高血圧症、糖尿病、高脂血症等の生活習慣病が上位を占めた。
  • 40歳未満においては、アレルギー性鼻炎がトップであった。
長期Do処方患者の疾患の傾向

(健保組合レセプトの2016年10月〜2018年9月データからの分析)
長期Do処方を開始した診療年月のレセプト傷病名

出典:健康保険組合連合会「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅳ」

同じ処方が続く患者・処方せんの割合

  • 長期Do処方患者の割合は、どの年齢層とも上昇傾向。
  • 40歳以上は患者数ベースで10%を超え、処方日数ベースでは45~50%を占める。
長期Do処方患者の割合(延べ患者数ベース)

2016年10月~2020年9月

(注) * 各年10月〜翌年9月の12カ月間

長期Do処方患者の割合(延べ処方日数ベース)

2016年10月~2020年9月

(注) * 各年10月〜翌年9月の12カ月間

出典:健康保険組合連合会「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅴ」

同じ処方が続く患者の年間受診回数

  • 長期Do処方患者のうち月1回(年12回)以上の頻度による受診の割合は、処方元が病院の場合は約7%、診療所の場合は約38%だった。
  • 処方元が病院の場合、3カ月に1回の受診(90日処方に相当)が約41%で最も多い。
長期Do処方患者の年間受診回数の分布

(健保組合レセプトから2019年10月〜2020年9月の状況を集計)

(注) * 年30回を超える受診は非表示

出典:健康保険組合連合会「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅴ」

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