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離れて暮らす親のケア vol.95

NPO法人パオッコ理事長の太田差恵子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差恵子

親との落としどころを探る

離れて暮らす老親の具合が悪くなると、どうしても往復する回数が増えます。

東京都内で暮らすK子さん(50代)が九州の実家に帰るのは盆と正月だけだったそうです。しかし、数年前に母親が亡くなり、父親が1人暮らしになって以降、帰省する頻度が増えました。「去年は父が入院したこともあり、1年で7回帰省しました。医師の話を聞いたり、役所に行く必要があったり、平日に帰ることが続いて職場に迷惑をかけました」と話します。

K子さんは父親に東京都内の高齢者施設に入居してもらいたいと考えています。しかし、父親は九州を離れるつもりはないとかたくなです。

自分の生活と遠距離介護をどう両立するか……。K子さんは仕事を辞めて父親のそばで暮らすことも検討していますが、他に理由があるならともかく、「親のため」の離職は早計です。子にも生活があり、いずれ老後は巡ってきます。まずは父親としっかり話し合いましょう。ビジネスの現場でも、相手と意見が平行線になれば折衷案を探ります。親子間でも一方の言い分だけを優先するのではなく、それぞれが納得できる落としどころを探りたいものです。

本欄の執筆者、太田差惠子さんがこのほど「遠距離介護で自滅しない選択」を刊行されました。離れて暮らす親の介護と自分の生活を両立させるコツを優しく指南してくれます。ぜひ、お手に取ってみてください。
日本経済新聞出版社 刊 1,400円+税

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