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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.97

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

親がシニア向けマンションを購入!?

このコラムでは、主に心身に衰えが生じた親を支える子のエピソードを紹介しています。一方、元気な親に対し、悩みや迷いを抱く子もいます。

M子さん(40代)の両親はまだまだ元気な70代。夫婦でシニア向け分譲マンションへの住み替えを検討し始めたそうです。M子さんは妹との2人姉妹ですが、どちらも実家からは遠く離れて暮らしています。久しぶりに家族がそろった時、母親が「ここにお父さんと移ろうかと考えているの」とパンフレットを差し出しました。「24時間見守り」「広々とした温泉完備」「協力医療機関との連携」など、シニア世代を魅了する言葉が並んでいます。有料老人ホームと違い、「所有権方式」です。「ついのすみかよ。その後は、あなたたちに相続できるわ」と母親はにっこり。

しかし、M子さんは賛成できないのだとか。「元気なときは楽しく過ごせるかもしれません。でも、もし介護が必要になったら、状態によっては住み続けることは難しいと思うのです」と話します。相続についても魅力を感じないそう。

もちろん、どこで老後を暮らすかの決定権は両親にあるといえるでしょう。けれども、将来、後悔しないよう慎重な検討も必要です。なぜ自宅ではなく、そのマンションに移りたいと思ったのか本音を聞くと同時に、一緒に見学に行き、介護が必要になった時のことや、費用についてもよく確認を。両親のどちらかが先に他界した場合のことも想定しておく必要があります。また、いずれは売却することが前提なら、売れそうな物件かどうかも調べておきたいですね。

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