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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.106

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

冬の帰省

新型コロナの感染拡大が止まらず、お盆に続き、年末年始の帰省を取り止めたという人は多いのではないでしょうか。今朝のニュースでも「家族が集まらないことが最善」というテロップが出ていました。ため息をつきたくなる文言です。

首都圏在住のMさん(男性50代)も年末年始は実家に帰る予定でしたが、母親を担当するケアマネジャーから「できれば、帰省しないでください」とくぎを刺されたそうです。緊急事態宣言の有無にかかわらず、感染リスクが高いと見なされている地域から訪問者があると、2週間サービスの提供ができなくなるのだとか。強制力はありませんが、「2週間ルール」と呼ばれ、運用する介護事業所は少なくありません。「母は1人暮らしだし、僕が帰ることで2週間もデイサービスに行けなくなると、そのほうが困る」とMさんは話します。

居宅サービスを提供する事業所だけでなく、多くの病院や高齢者施設が、家族の面会を制限しています。ただし、家族に我慢を強いているだけでなく、医療、介護従事者も、都道府県をまたぐ移動や外食を控え、移動すると2週間の出勤停止になることさえあるようです。

一方で、家族に会えない、閉じこもってばかり……などの理由から、心身の調子を崩している高齢者がいるのも事実。会えない分、電話や手紙、オンラインを活用し、コミュニケーションを図りましょう。オンラインが難しい場合、家族の写真を郵送するだけでも「1人じゃない」と心の支えになったり、励ましになったりすることもあるようです。

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