健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.70

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

診療科で薬局を使い分け 今後薬局で何が情報共有される?

相 談私(48歳・女性)は3年前に子宮筋腫が見つかりました。手術が必要というほどの状態ではなく、医師から「閉経すれば小さくなるかもしれないので、経過観察をしましょう」と言われて、3カ月ごとに総合病院の婦人科を受診しています。ただ、子宮筋腫の影響で貧血気味なので、鉄剤が処方されています。院外処方で処方箋が発行されるので、その病院の帰り道にあるA薬局を利用しています。

実は私は子宮筋腫とは別に内科的な慢性疾患もあり、近くのクリニックを定期的に受診しています。そこで出される薬は、以前からかかりつけ薬局にしているB薬局に処方箋を持参しています。

婦人科と内科の受診のタイミング次第では、2種類の処方箋をB薬局に持って行って調剤してもらうこともありました。先日、A薬局に半年ぶりに行ったところ、薬剤師から「お久しぶりですねぇ」と言われ、この間、別の薬局を利用していたことを知っているような言い方を露骨にされて、対応も冷ややかでした。

テレビの情報番組でマイナンバーカードを保険証代わりに使えるようになり、医薬品の情報共有を医療機関や薬局でできるようになるといっていました。今後の薬局との付き合い方を考えるために何が情報共有されるのか知りたいのですが。

回 答山口育子(COML)

2021年10月から始まっているオンライン資格確認により、導入している医療機関や薬局ではマイナンバーカードを保険証代わりに使用できるようになりました。その場合、患者が同意すれば、過去3年分の医薬品情報、5年分の特定健診情報、さらには過去に受診した医療機関とその日付、レセプト上の情報として放射線治療、画像診断、病理診断などが医師や薬剤師などに共有されます。

レセプト上の情報は、このような項目の点数が請求されたという事実だけで、放射線治療の内容や画像、病理診断の結果が伝わるわけではありません。23年5月からは、手術の項目も共有できるようになる予定です。ただ、医薬品については薬剤師に一元管理してもらうことが大切なので、薬局は1カ所にまとめることをお勧めします。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉 ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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