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Dr.石川の健康長寿ナビ vol.10

テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に健康で長生きするためのコツを教えていただきます。

新年を迎え、気分も新たになりました。今月は「年齢に適した食事を」です。

1月「年齢に適した食事を」
(70歳を超えたら食生活のギアチェンジが必要)

元気な高齢者はしっかりと栄養をとっています。老化度を測定する指標として、血液中のたんぱく質の一種のアルブミン値が注目されています。血液中のアルブミン値の高い人ほど長生きする傾向にあります。

アルブミンは食事として摂取されるたんぱく質を原料として肝臓で合成されるもので、副腎皮質ホルモン、男性ホルモン、女性ホルモンなどのホルモンを全身に運搬したり、傷ついた細胞の再生を促す働きがあります。そのために、血液中のアルブミンが少ないと、老化が早まったり、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなったり、体力、気力が衰えたりします。

年をとると、食が細くなり、脂っこいものより、さっぱりしたものを好むようになります。野菜を中心とした副食が多くなり、ややもすれば、肉や魚、卵、牛乳、油脂類などの摂取がおろそかになり、低栄養になりやすくなります。

野菜類を多く、低脂肪、低カロリーといった、中年期に生活習慣病を予防する食事として身につけたダイエット食を高齢期になっても金科玉条(きんかぎょくじょう)のごとく守っている人が少なくありません。このような人は低栄養状態が禍(わざわい)して、老化が加速され、免疫力が低下し、さまざまな病気になりやすくなります。
70歳を超えたら食生活のギアチェンジを間違えないようにしましょう。

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