健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.59

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

受けたくない手術を医師に勧められ、ストレス

相 談私(女性・44歳)は、約5年前から生理痛がひどく、出血量も多いことに悩んでいました。ある時、あまりの痛さに気絶してしまったこともありました。そして同時期に精神疾患も発症し、急速に悪化して起き上がれない状態になり、ほぼ寝たきりの生活になってしまったのです。昨年からようやく外出ができるぐらいに回復したのですが、血液検査で貧血だと指摘され、いろいろ症状を聞かれた結果、婦人科の受診を勧められました。

婦人科では検査の結果、子宮の内部に約10センチメートルの筋腫があると分かりました。すると、医師はそれが貧血の原因であると手術を勧めてきました。私としては確かに生理のときは痛みがひどいのですが、以前のように気絶するほどではありません。痛み止めを飲んで1~2日我慢すればやり過ごせるのです。

ところが医師は、受診のたびに手術の同意書を出してきて説得しようとします。私にはそれが恐怖で圧迫感があるのです。

閉経を迎えれば子宮筋腫も小さくなる可能性があると聞きます。私はそちらに賭けたいのですが、医師に「手術をすれば症状が改善して楽になるのに何を迷っているのですか」と毎回言われるのでストレスです。でも、受診しないと鎮痛剤を出してもらえないし…。どうすれば手術をせずに済むのでしょうか。

回 答山口育子(COML)

医師からみれば、患者はつらい症状があり受診しているのだから、そのつらい症状を取り除く治療方法があり、それを提案しているのに応じないというのは理解できないことなのかもしれません。また、年齢的に出産の可能性が低くなると、婦人科では子宮や卵巣の摘出を勧めるハードルが医師の中でも低くなるような印象があります。

しかし、患者さん一人ひとりには異なる考えや価値観があるのは当然です。ただ、それは伝えなければ理解を得られず、ただのわがままと受け止められてしまう可能性があります。それだけに、手術に抵抗があること、閉経後の変化に期待したいという気持ちを伝えて、なぜ応じようとしないのか理由をまずは医師に理解してもらうことが大切だと思います。そしてよく話し合ってみましょう。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉 ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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