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離れて暮らす親のケア vol.68

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

「トイレが臭う」と言いにくい?

掃除を怠ると、トイレなど水まわりからはニオイが発生することがあります。

数カ月振りに実家に帰ったというUさん。80代後半の両親が2人で暮らしています。身のまわりのことはできるとはいえ、母親に腰痛・膝痛があるせいか、家全体の掃除が以前に比べて手抜きになっていると感じたそうです。とくに、トイレからは鼻をつく臭いが……。

「私がいるあいだは、私がササッと掃除をしましたが……。母に、『臭う』とは言えませんでした」とUさん。言えば、「掃除ができていない」と責められたと、母親は捉えるだろうと言うのです。

たしかに、母親のプライドを傷つける可能性はあるでしょう。トイレの臭いに限らず、子どもが良かれと思って提案しても、親の受け止め方はさまざまです。たとえば、火事を不安視し、IHクッキングヒーターの導入を勧めたところ、「放っておいてくれ!」と怒鳴られたという子どもがいました。

親の性格や支援の必要度合いにもよりますが、介護保険を申請してホームヘルプサービスを導入するのも一案です。高齢の親だけの世帯であれば、家事援助的なサービスも使えます。介護保険を使うほどでない場合は、ボランティアや民間のホームヘルプサービスも検討しましょう。親の家がある地区を担当する地域包括支援センターで、現状を、ざっくばらんに相談してみることをお勧めします。

一方、掃除用品も進化しています。トイレの臭いを強力に消臭する商品や、介護に特化した消臭スプレーなどもあるので、上手に活用したいものです。

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