かしこい患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.18

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

詳細な説明なく差額ベッド料を請求された

相 談妻(53歳)が10日ほど前から体調不良を訴えていたのですが、受診せずに様子を見ていました。すると、5日前の夕方から熱が出始め、夜中には40度近い高熱になって、ぐったりしてきました。これは危ないと思った私は、救急車を呼び、妻を病院に搬送してもらいました。

妻は、病院で血液検査やレントゲン検査などを受けたのですが、はっきりしたことが分からず、医師から「明朝、精密検査ができる状態になったら詳しい検査をしましょう。ともかく今夜は入院していただきます」と言われた後、慌ただしく数枚の書類にサインを求められるなど手続きが進み、入院となりました。

幸い、翌日からの検査では深刻な病気は見つからず、徐々に体調も回復して3日間で退院となりました。

ところが、退院時に渡された請求書を見ると、差額ベッド料が1日2万1600円で合計6万5000円近く請求されていたのです。妻が「こんな話は聞いていない」と言うと、病院側は「同意書を提出いただいていますから、ご納得の上での請求です」と言うだけでした。提出しているという同意書を病院側から見せてもらうと、先の入院が決まって慌ただしく書いた書類の中の1枚であると分かりました。

病院側からは全く事前に口頭での説明もないまま、求められた通りサインしただけで同意とみなされるなんて、詐欺にあった気分です。

コメント山口育子(COML)

差額ベッド料が発生する特別療養環境室の提供は「患者への十分な情報提供」と「患者の自由な選択と同意に基づく」ことになっており、実質的に患者の選択によらない場合は請求できないと厚生労働省では判断しています。そのため、差額ベッド料が必要な病室以外に空きベッドがない時は、「特別療養環境室の設備構造、料金等について、明確かつ懇切丁寧に説明し、その上で、患者が特別療養環境室への入院に同意していることが確認される場合」に料金の請求が可能としています。ただし、2018年7月20日付で厚労省は「特別療養環境室の設備構造、料金等についての明確な説明がないまま、同意書に署名させられていた場合」は、不適切な同意書の求め方であるとの解釈を示した事務連絡を出しました。そのため、この疑義解釈を提示して病院側と交渉することは可能です。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

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