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離れて暮らす親のケア vol.91

NPO法人パオッコ理事長の太田差恵子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差恵子

親がヘルパーを帰してしまう……

親のホームヘルプサービスの利用が決まると、離れて暮らす子としてはほっとします。家事や介護の支援を受けられることはもちろん、定期的な訪問は異変を察知する見守りにもなるからです。しかし、せっかくケアプランに組み入れてもらっても、「親が利用を拒否する」と嘆く声も。

S子さんの母親(80代、1人暮らし)は、ホームヘルパーが来る日の朝、「今日は出掛けるので、来ていただかなくて結構」と事業所に電話をかけることが続いたそうです。母親には軽度の認知症の症状があるのですが、断りの電話はしっかりした口調だとか。そして、とうとうサービスは休止になってしまいました。

S子さんは母親の担当ケアマネジャーに連絡を入れて、サービスの継続をお願いしました。しかし、拒否する高齢者の家に、強引に踏み込むこともできません。相談の結果、一計を案じることにしました。

まずS子さんの帰省時に、ヘルパーをS子さんの友人の「〇子」だと偽って母親に紹介。2回目は「また、〇子が来た!」と言い、実家の居間に通して世間話。母親にお茶を出してもらいました。3回目は母親も世間話に参加。4回目はS子さんがいないときに、「〇子です。トイレを我慢できず、貸していただけませんか」と言って家に入り、トイレ掃除。以降は、少しずつ滞在時間を伸ばし、本来の仕事をしてもらえるようになりました。

親の拒否にあっても、あきらめずケアマネジャーに相談を。打開策が見つかるかもしれません。最初は労力を要しても、サービス利用にこぎ着けられると、安心感はグンと高まります。

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