健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.63

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

指の縫合処置後、仕事を続けていいのか判断に困る

相 談私(34歳・女性)は先日、子どもを保育園に迎えに行き、自転車に乗せて帰宅する途中、別の自転車とぶつかって転倒してしまいました。その際、子どもが振り落とされないようにかばったために親指が自転車のどこかに当たり、かなり深くえぐれた感じになり、ひどい出血を伴うけがをしてしまいました。

ぶつかった方が驚いて救急車を呼び、整形外科のある病院に運ばれ、指を縫合する処置を受けました。病院で「水でぬらさないように気を付けてください」と注意を受けたので包帯の上からビニール袋をかぶせてガムテープで留めて炊事などの家事をしています。

私はひとり親家庭で8歳と3歳の子どもを1人で育てています。そのため日中は仕事をしているのですが、かなり指を使う作業です。作業はスピードも求められるので、仕事に出れば指を酷使してしまいます。1週間後に抜糸をする予定なのですが、それまでの間、指を酷使する仕事を続けてもいいのか分からず困っています。病院に電話で尋ねたいのですが、以前「電話再診料」を請求されたこともあり、できる限り出費は控えたいのです。このような指の小さな傷で有給休暇を取るのもはばかられて…。どうしたらいいのでしょうか。

回 答山口育子(COML)

相談者は、仕事で得ている収入ではギリギリの生活の様子でした。そのために、電話で病院に問い合わせることによる出費が生じることを避けたくて、ほかに何か方法がないものかとCOMLへ電話相談してこられたようです。

縫合した状態で動かしていけないことはないと思いますが、酷使すると痛みが出るかもしれません。また、縫合した部位にばい菌が入ると化膿(かのう)する可能性もあります。そのようなことにならない程度の作業や環境なのかにより、仕事の継続を判断してはどうかとアドバイスしました。すると相談者は「仕事中に自分だけ休憩を多く取るわけにもいかないので、有給休暇を取ってもう少し休むことにします」と決断されました。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉 ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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