HOME > 健康コラム > Dr.石川の健康コラムベストセレクション > Dr.石川の12ヵ月健康チェック vol.30

Dr.石川の12ヵ月健康チェック vol.30

テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に季節ごとに生じやすい症状について解説していただきます。これを参考に、なるべく未然に防ぎたいですね。

9月のテーマは「動脈硬化」です。

9月:「動脈硬化」

9月15日の「敬老の日」は、高齢者を敬い、感謝することを確認する日であることは言うまでもありませんが、同時に、〝人の老い〟について考える日でもあります。人は40代に足を踏み入れるころから、ぼつぼつと老化現象が表面化してきます。実際にはもっと早くから老化現象が体の中に潜行しているのです。

目に見えない老化現象の一つに動脈硬化があります。老化の主役がこの動脈硬化と言っても過言ではありません。動脈硬化はすでに赤ん坊のときからスタートしていて、あるときはゆっくりと、また、あるときはスピードを上げて進行しているのです。

動脈硬化の進行度を速めているのが、過剰な血液中の脂肪、高血圧、糖尿病、高尿酸血しょう、ストレス、タバコ、運動不足などです。

動脈硬化の程度を知るための検査には、心電図、眼底検査、心臓や血管の超音波検査、脈波伝播速度、足関節上腕血圧比、CT・MRI、血管造影などが行われています。

また、動脈硬化指数というのもあります。これは血液中のコレステロールから、
(総コレステロール-HDLコレステロール)÷HDLコレステロール=動脈硬化指数
として算出するものです。この指数が4以下なら動脈硬化が起こりにくいと考えられています。もちろん、これは動脈硬化の脂質面だけからの考えであり、すべてではありません。でも、健診のデーターから簡単に算出できますので、チェックしておくのもいいでしょう。

身体的な老化は仕方がないとしても、精神面ではいつまでも若々しくありたいものです。日々、軽老を心がけてすごしていきたいものです。

ベストセレクション