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健保ニュース 2026年10月下旬号

日本総研・西沢氏が講演
医療提供体制変革へ「声」集約を

日本総合研究所調査部理事の西沢和彦氏は13日の情勢報告会で、「健保組合への期待」と題し講演した。医療提供体制の変革に向けた健保組合の役割として、レセプトなどのデータと、加入者の声や口コミの活用を提案した。

英国では、診療所や病院などを、「安全性」「有効性」「思いやり」などといった項目で患者が個別に評価し、その結果をインターネット上に公開する仕組みを政府が提供していると紹介。健保組合にはレセプトデータに加え、医療機関を受診した加入者の声もあるとして、「集約すれば、良いクリニックを明らかにすることができるのではないか」と提起した。

「パイロット事業でもいいので加入者の声を集め、こうした皆さんの取り組みで政府を動かすことができれば素晴らしいと思う」と語った。

医療提供体制については、「家庭医・総合診療専門医」の普及を唱え、「総合診療科」の標榜を可能にすることなどを課題に挙げた。

これに関連して、健保連が昨年発表した「『ポスト2025』健康保険組合の提言」で、「5つのチャレンジ」の一つに「かかりつけ医との連携」を挙げたことを評価した。

また、西沢氏は医療保険財政について、「負担と受益が対応するので負担に納得感がある」と説明し、高齢者医療への拠出金や子ども・子育て支援金など受益とリンクしない負担を問題視した。

健保組合に対しては、「少なくとも後期高齢者医療広域連合が適切に給付、運営を行っているか、資金の出し手として声を上げてチェックすべきだ」と述べた。

子ども・子育て支援金の代行徴収にあたっては、「国に手数料を求める交渉をしてもいいのではないか」と提案した。

このほか、働き方の変化への対応として、▽第3号被保険者制度の廃止と被扶養配偶者のあり方▽副業や兼業への制度的対応▽標準報酬の仕組みの不公平▽治療しながら働く人への傷病手当と障害年金▽天井の見えない高額薬の登場──などを検討課題に挙げた。

高額薬については今後、希少疾患だけでなく、利用者の多い疾患の治療薬も登場すると見通した。人の命を救う一方、その高額な費用をいかに負担するかについて、「保険者が分立している中で多様な意見を出し、常に考え続けることが重要だ」と述べた。

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