健保ニュース
健保ニュース 2026年10月中旬号
健保連 医療・介護意識調査
2割負担の年齢引き上げ賛成多数
高所得ほど割合高く
健保連は9月24日、医療・介護に関する国民意識調査の報告書を発表した。医療費の窓口負担が原則2割となっている70~74歳の年齢区分を5歳引き上げることについて、賛成が35.7%で、反対の22.5%を10ポイント以上上回った。最多の回答は「わからない」の41.8%で、判断を保留している回答者が一定数いることがうかがえる。
年代別に見ると、20歳代は42.4%が、30歳代は41.4%が賛成しており、若年層の賛成が目立つ。引き上げの影響がない80歳代の賛成も43.3%と高かった。
世帯年収階級別では、「1500万円以上」の賛成が56.3%で最も高く、「800万~900万円未満」が49.2%、「1000万~1500万円未満」が48.4%と続く。一方で、「200万円未満」では賛成が26.3%にとどまり、高所得層ほど賛成の割合が高い。
加入している保険者別では、共済組合が43.9%、後期高齢者医療制度が41.9%、健保組合と協会けんぽがともに38.4%の順だった。
調査は医療・介護の提供体制と公的医療保険制度について、国民の最近の認識や具体的なニーズを幅広く把握し、今後の方向性を検討する基礎資料とすることを目的に、今年1月、3000人を対象にウェブアンケート形式で行った。結果の一部を速報版として、6月3日の記者会見で発表していた。報告書は健保連ホームページの「調査研究報告書」コーナーでダウンロードできる。
高齢者の自己負担割合を一律3割にすることには、賛成34.2%、反対29.9%、「わからない」35.8%で、賛成が反対を上回った。
年代別では、20歳代の賛成が44.6%、30歳代が39.9%と、若年層ほど高い傾向にある。一方、高齢になると反対の割合が高くなり、70歳代で48.3%と半数に迫る。
世帯年収階級別では、「1500万円以上」の賛成が55.2%、「800万~900万円未満」が50.0%、「1000万~1500万円未満」が49.8%となっており、2割負担の対象年齢の引き上げと同様に、高所得層ほど賛成の割合が高い。
加入している保険者の種類別では、共済組合の賛成が42.1%、健保組合が39.6%、協会けんぽが38.0%となり、被用者保険の方が比較的賛成の割合が高かった。
保健指導による変化
受診者の7割超が行動変容
40~74歳の特定健診の受診率は50.3%で、前回調査の令和4年度に比べ2.3ポイント増えた。特定健診の結果、特定保健指導の対象となったのは21.0%で、このうち54.3%が実際に保健指導を受けた。
保健指導を受けたことによる行動や意識の変化(複数回答)は、「運動を始めた/運動の頻度・時間が増えた」が55.0%、「食生活を改めた(減塩やアルコール、間食を控えるなど)」が53.0%、「睡眠時間の確保・睡眠の質改善に取り組んだ」が13.0%、「喫煙本数を減らした/禁煙に取り組んだ」が6.0%で、73.0%が何らかの変化があったと回答した。
保健指導を受けたことによる健康状態の変化は、「正常値になった」が9.0%、「正常値にはなっていないが改善した」が52.0%で、合わせて61.0%が「改善した」と回答した。
40歳未満では、13.9%が保健指導を受け、このうち何らかの行動変容があった人の割合は72.9%、健康状態が改善した人の割合は50.5%だった。
診療所医師の事前登録
「不安感じない」約4割
かかりつけ医がいる人の割合は44.2%、「かかりつけ医療機関はあるが、診察を受ける医師は決まっていない」は14.5%、「この病気ならこの先生という意味でなら、決まった医師がいる」は9.4%だった。
診療所の医師を事前に選んで登録し、その医師の判断で専門医療機関を受診することを原則とすることについては、「全く不安を感じない」が7.7%、「それほど不安を感じない」が30.4%で、合わせて38.1%だった。高齢層ほど「不安を感じない」とする回答割合が高い。
事前登録した診療所医師の診察であるか否かで自己負担に差をつけることについては、50.5%が「よくないと思う」と回答した。
「登録した医師を受診する場合に、多少自己負担が高くなるのはやむを得ない」は8.1%、「登録した医師以外を受診する場合に、多少自己負担が高くなるのはやむを得ない」は14.4%にとどまった。
4割超が地域医療に満足
アクセスの良さが理由
地域医療への満足度は、「かなり満足」が7.9%、「やや満足」が33.9%で計41.8%だった。「やや不満」は8.2%、「かなり不満」は4.0%で、合わせて1割強にとどまった。居住している自治体の人口密度が高いほど「満足」の割合が高くなり、人口密度が低いと「不満」の割合が高くなる。
地方都市型の二次医療圏では、医師偏在指標が高いと満足度が高い。過疎地域型の二次医療圏では、「不満」が計31.2%で、「満足」の計23.7%を上回った。
地域医療について「満足」と回答した人に理由(複数回答)を尋ねたところ、「近くに医療機関があり、受診しやすい」が84.7%で最も高い。次いで、「診療科の種類が十分にある」が38.3%と高かった。
一方、「不満」と答えた人の理由(複数回答)は、「診療科の種類が十分でなく、受けたい治療が受けにくい」が38.6%、「日曜・休日に受診できる医療機関がない、または遠い」が32.6%などとなっている。