健保ニュース
健保ニュース 2026年10月中旬号
次期制度改革
現役の負担軽減へ中期視点で検討
医療保険部会「議論の視点」
厚生労働省は1日の社会保障審議会医療保険部会(部会長・岩村正彦東京大名誉教授)に、次期医療保険制度改革に向けた議論の視点を示した。現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指し、中期的視点で検討する。
検討にあたっては、社会経済情勢の変化に対応するとともに、客観的なデータに基づいて将来像を共有し、給付と負担の関係について国民の理解を得るとした。
また、骨太の方針や与党が合意した社会保障改革の骨子などに記された改革項目や期限を念頭に、検討項目やスケジュールを明確にしながら議論を進める方針を掲げた。
次期改革に向けては、前々回9月11日の部会で議論を開始した。厚労省は同日の意見を基に、①改革に向けた検討、議論の進め方②高齢者の医療費窓口負担割合の見直し③国民健康保険の保険者機能強化──を議論の視点に整理した。
②は必要な受診の確保に配慮しつつ、年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から検討する。負担割合の区切りとなる所得の見直しや年齢の引き上げなど抜本的な見直しについて、現役世代の負担軽減の観点から、公費負担のあり方も含め総合的に検討するとした。
③は地域ごとの状況の違いを踏まえつつ、保険料水準の統一を含む都道府県の役割と保険者機能の強化、市町村の事務負担軽減を議論する。
このほか、予防・健康づくりの推進や健康保険の被扶養者のあり方、医療DXの推進、効率的な医療提供体制などを検討項目に挙げた。
健保連の米川孝副会長は、「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくこと」の重要性を強調し、議論の視点に賛同した。
②は従来の健保組合・健保連の主張にも合致する内容だと歓迎し、後期高齢者の現役並み所得者への公費負担がない「いびつな構造」の早期解消を訴えた。
①~③以外の検討項目については、重要な課題との認識を示す一方、健保組合の実務負担に影響を与える可能性もあるとして、丁寧な議論を求めた。
また、退職者や資格喪失者への給付の見直しを提起し、傷病手当金などの資格喪失後の継続給付や任意継続被保険者制度についての議論も要望した。
城守国斗委員(日本医師会副会長)は、中期的な検討には、経済状況も勘案しながら、「医療保険制度の給付と負担のバランスについて、国民にしっかり理解してもらいながら議論していく段階にある」と述べた。
林鉄兵委員(連合副事務局長)は高齢者医療制度における負担のあり方について、「年齢で区切らない制度への抜本改革とセットで議論が必要だ」と指摘する一方、高齢になると介護の必要性も高まることから、介護サービスの利用者負担割合見直しの議論も踏まえた丁寧な検討が必要だと主張した。