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健保ニュース 2026年10月中旬号

7年度健保組合決算見込み
収支改善も 4割の組合が赤字
米川副会長「ほとんどが採算ぎりぎり」

健保連は9月29日に記者会見を開き、令和7年度の健保組合決算見込みを発表した。全国1372の健保組合全体の経常収支は2417億円の黒字となった。賃上げによる保険料収入の増加などで黒字額は前年度決算から2270億円増えたが、全体の約4割を占める組合が赤字だった。平均保険料率は前年度比0.03ポイント増の9.34%で、過去最高を更新した。健保連の米川孝副会長は「収支は黒字となったが、ほとんどの組合は採算ぎりぎりで持ちこたえている」との受け止めを示した。また、「保険料収入の4割が拠出金に回る構造を変えない限り、健保組合の財政が大きく好転することはない」と述べ、高齢者医療制度の見直しを訴えた。

保険料率、過去最高の9.34%

収入面では、賃上げ効果のほか、被保険者数の増加などで保険料収入が増えた一方、支出面では、保険給付費は増加しつつも、高齢者医療への拠出金の伸びが低く抑えられたため、収支が改善した。拠出金の伸びが鈍化したのは、前期高齢者納付金の一時的な減少が影響したからだ。

7年度の前期納付金は、概算額ベースで前年度比0.4%増だったが、前々年度(5年度)の精算で789億円を追徴されたものの、6年度の精算でそれを上回る1250億円を追徴されたため、差し引きで455億円減少した。

1人あたり保険料
最高の55万9401円

決算見込みは、3月末時点の全1372組合(前年度比6組合減)のデータを集計した。

収入のほとんどを占める保険料収入は、賃上げに伴い4.6%増の9兆5682億円となった。被保険者1人あたりの保険料負担額は3.6%増の55万9401円となり、過去最高だった。

一方、支出のうち保険給付費は3.4%増の4兆9556億円で、加入者1人あたりでは3.8%増の17万8000円となる。

義務的経費に占める拠出金
50%以上の組合 2割弱

高齢者医療への拠出金は0.7%増の3兆8859億円に上る。内訳は後期高齢者支援金が3.2%増の2兆3316億円、前期高齢者納付金が2.8%減の1兆5541億円。義務的経費(法定給付費+高齢者医療拠出金)に占める拠出金の割合は0.6ポイント減の44.5%(後期高齢者支援金26.7%、前期高齢者納付金等17.8%)で、負担割合が50%以上の組合が全体の17.1%に及ぶ。

加入者の健康維持・増進のための保健事業費は、2.0%増の3990億円と見込んだ。

赤字組合は150組合減の511組合(全体の37.2%)で、赤字総額は849億円減の1218億円。黒字組合は144組合増の861組合(同62.8%)で、黒字総額は1421億円増の3635億円とした。

4分の1の組合
保険料率 協会けんぽ以上

被保険者数は1710万4455人と1.0%増えた一方、被扶養者数は1074万7432人と2.6%減り、扶養率は0.02ポイント減の0.63となった。

保険料算定の基礎となる平均標準報酬月額は2.9%増の40万9910円。平均標準賞与額は3.6%増の132万2172円だった。

平均保険料率(調整保険料率を含む)を組合の形態別に見ると、単一組合(1118組合)が0.03ポイント増の9.21%、総合組合(254組合)が0.01ポイント増の9.88%となっている。

保険料を引き上げた組合は156組合、引き下げた組合は86組合で、協会けんぽの平均保険料率10.0%(当時)以上の組合は332組合(単一組合222組合、総合組合110組合)と、全体の24.2%を占めている。

また、収支均衡に必要な財源を賄うための実質保険料率は、0.15ポイント減の9.13%(単一組合9.02%、総合組合9.62%)となる。

このほか、7年度末の準備金は2兆2971億円、別途積立金は4兆4056億円となっている。

8年度決算の粗い試算
医療費動向で悪化の恐れ

健保連は7年度の決算見込みにあわせ、最近の動向を踏まえた8年度決算見込み(粗い試算)と13年度までの高齢者医療拠出金の見通しも示した。8年度の経常収支は1500億円の黒字で、同年度予算の早期集計の2900億円の赤字から4400億円改善した。前年を上回る賃上げなどで保険料収入が3000億円増えた一方、保険給付費が当初見込みを下回り1400億円減った。

ただ、医療費の伸び率をみると、今年4月からの3か月平均が3.1%、6月が6.7%の推移を示すなど、8年度診療報酬改定の影響で予想以上に高く伸びる可能性があるため、今後の動向を慎重に見極める必要があるとした。

さらに、医療の高度化・高額化による法定給付費の増加に加え、4兆円規模の拠出金負担を強いられることから、財政が悪化に転じる恐れがあると指摘した。

9年度の拠出金の概算額は前年度比1600億円増の4兆1400億円と試算。10年度の概算額は1300億円増の4兆2700億円で、11年度以降も毎年1400億~1700億円規模で増加する見込みだ。

試算は加入者数(9年度概算額ベース)を固定し、標準報酬総額と高齢者1人あたり医療費について、9年度の見込みをもとに10年度以降の賃金上昇を見込んで行った。

令和7年度決算見込

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