健保ニュース
健保ニュース 2026年10月上旬号
制度の持続可能性確保に向け
2割負担拡大の検討再開
介護保険部会
社会保障審議会介護保険部会(部会長・野口晴子早稲田大教授)は9月18日、介護保険制度の持続可能性確保に向け、介護サービスの利用者負担を2割負担とする一定以上所得者の判断基準の見直しや、金融所得の勘案、金融資産の取り扱いについて議論した。
同部会は昨年末に取りまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」で、一定以上所得の判断基準の見直しについて第10期介護保険事業計画期間(令和9~11年度)の開始前までに結論を得るとしていた。
また、厚労省は今年の骨太の方針に▽医療・介護を中心とした社会保障制度改革により現役世代の保険料率を引き下げていく▽2割負担の判断基準の見直しについて今年度中に結論を得る▽医療・介護保険における金融所得・資産の取り扱いについて令和5年の改革工程に基づいて検討を進める──などと記されていると紹介し、意見を求めた。
健保連の伊藤悦郎常務理事の代理で出席した田河慶太参与は、介護保険制度を持続可能なものにするためには「給付と負担について不断に見直すことが不可欠だ」と述べた。
その上で、世代間の公平性の視点から、高齢者にも能力に応じて負担してもらう必要があり、一定以上所得の判断基準の見直しについて、昨年示された配慮措置や所得基準の選択肢などをベースに検討し、前に進めるよう要望した。
また、金融所得の勘案については、現在の介護保険の仕組みでは、所得の種類によって、負担に勘案されるかどうか扱いが異なると指摘。今後、議論を進める際、現行制度でどのように所得が勘案されているかが重要であるとし、整理して次回の部会に示すよう求めた。
平山春樹委員(連合総合政策推進局生活福祉局局長)は、介護サービスは生活を支える基盤であり、長期にわたり継続して利用されることから、一定以上所得の判断基準を引き下げることに慎重な考えを示した。2割負担の対象を拡大することでサービス利用者の生活にどのような影響が出るかを検証すべきだとした。
また、金融資産の反映については正確な把握ができなければ、新たな不公平を生じさせる恐れがあるとし、自治体の事務負担も含め慎重に検討すべきとした。
高所得の1号保険料引き上げ
第10期計画へ厚労省が提案
また、厚労省は市町村と都道府県の第10期介護保険事業(支援)計画(9~11年度)に向け、65歳以上の第1号被保険者の保険料について、能力に応じた保険料を設定する観点から、高所得者の保険料を引き上げる考えを示した。
併せて、公的年金の引き上げに伴い住民税非課税だった人が課税対象になり、保険料が大幅に増加することを抑制するための見直しも行うことで、被保険者の能力に応じた保険料設定を図るとした。委員から目立った異論はなかった。
高齢化の進展に伴い、中長期的に1号保険料の増加が見込まれることを踏まえ、昨年末の「見直しに関する意見」では、▽世代内の所得再分配機能をさらに強化すべき▽1号保険料の負担段階設定は年金生活者の所得水準に応じ適切に見直すべき▽保険料をこれ以上増やすことは難しく、公費負担割合を増やすべき──などとされていた。
田河参与は、厚労省が示した方針に異論はないとした上で、「第1号保険料の負担も重くなっているため、さらなる公費投入も検討すべき」と主張した。
2号保険料のあり方や介護保険制度全体の負担構造の見直しについても検討を求めた。