健保ニュース
健保ニュース 2026年10月上旬号
健保連 第542回理事会
皆保険継承へ一致団結し、改革実現へ行動
鈴木会長「次世代への責任果たす」
健保連は9月18日、第542回理事会を開き、令和8年度健保組合全国大会や「『ポスト2025』健康保険組合の提言」の広報展開などを審議し、いずれも了承した。冒頭にあいさつした鈴木伸弥会長は、今年が最初の健保組合の設立から100年の節目にあたることに触れ、「先人たちが築き上げてきた100年の歩みと実績を礎に、次世代に向けた責任を果たしていかなければならない」と決意を表明。国民皆保険制度を将来世代に引き継ぐためには「健保組合が一致団結し、制度改革の実現に向けて行動を起こすことが必要だ」と述べた。また、10月20日の全国大会を健保組合の主張を内外に発信する重要な機会と位置づけ、同提言で掲げた改革の着実な実行を訴えていくと強調した。〈鈴木会長の発言要旨は次の通り。〉
全国大会で「提言」アピール
各地で発生した自然災害で被害を受けた皆様に、心よりお見舞い申し上げる。7月の熊本地震では、多くの尊い命が失われるとともに、人々の暮らしや地域社会に甚大な被害をもたらした。また、日本各地で豪雨災害が発生し、停電や断水など住民生活に深刻な影響が出た。
改めて、被災地の復旧・復興に尽力している関係者に敬意を表するとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げる。
今週、高市首相のもとで自民党役員人事と内閣改造が行われた。自民党役員は、麻生副総裁、鈴木幹事長、小林政調会長が再任され、総務会長に梶山衆院議員が就任した。主要閣僚は留任となり、政権の骨格は変えずに、日本維新の会が(閣僚を出す)「閣内協力」に転じることになった。
厚生労働相も上野賢一郎氏が留任した。7月に直接あいさつする機会もあり、政策通であるとともに、人柄も誠実で温厚な印象を持った。医療保険制度を取り巻く諸課題についても深く理解しており、その手腕に引き続き期待している。
一方、今度の臨時国会では、2年間の飲食料品の消費税減税法案が最大の焦点になると見込まれる。減税は、令和11年度に予定している「所得に連動したきめ細やかな給付」の本格導入までの「つなぎ」としての暫定的な措置ではあるが、消費税が社会保障にとって極めて重要な財源であることは言うまでもない。
また、これにより、中低所得の現役勤労者にかかる税・社会保険料の負担軽減や、「年収の壁」への対策も進めることになるが、7月上旬には「骨太ショック」と呼ばれる金利の急騰局面があったことも忘れてはならない。
国民との約束である政権公約の実現に取り組むことは重要だが、適切な財源の確保や財政政策とのバランスも同時に達成しなければならない。極めて難易度の高い作業であり、出てきた答えに対する国民の共感が必要だ。
世界情勢に目を向けると、分断と対立、不安定さと不透明さが増しており、FRB(米連邦準備制度理事会)に続き日銀も政策金利の引き上げを決定した。こうした中、日本の財政に対する国際的な信認や市場の評価にも十分配慮していく必要がある。
臨時国会では、非常に激しい論戦が予想されるが、与野党が知恵を出し合い、国家の安全と国民の安心が守られるように合意形成を図ってほしい。
健保組合に対する支援
予算獲得へ機動的に活動
来年度予算の概算要求は過去最大の143兆656億円となった。このうち、健保組合関係分は前年度比約44億円増の約1571億円が盛り込まれている。昨年は、協会けんぽの保険料率の引き下げに併せ、年末の閣僚折衝で、健保連が実施する高額医療交付金事業に対して、急きょ200億円の追加支援が決定された。
一方、企業の賃上げ努力に配慮した拠出金負担軽減分230億円のあり方が検討課題に挙げられ、予断を許さない状況だ。今夏の概算要求では一旦盛り込まれているが、健保組合に対する支援は、現実のものとしてしっかり確保してもらう必要がある。年末に向けた予算編成や各種改革の動きの中で、あらゆる場面を想定し、機動的に活動していかなければならない。
このような活動の起点となり、かつ健保組合・健保連の考え方や提言を社会に向けて発信する絶好の機会となるのが、来月20日に開催する全国大会だ。国民の誰もが安心して必要な医療を受けられる皆保険制度を将来にわたり守り続けることは、現在を生き、未来にバトンをつなぐ私たちの使命であり、また、医療保険者の中核として制度を支える健保組合の役割でもある。
こうした認識のもと、本年の全国大会では、「『ポスト2025』健康保険組合の提言、今こそ実行の時!─100年の歩みを礎に、次世代へ皆保険をつなぐ─」をテーマとして掲げることになった。
昨年は「2025年問題は終わっていない」という危機感のもと、制度改革の必要性を強く訴えた。しかし、団塊の世代すべてが後期高齢者となった2025年を越えた現在も、現役世代に過度に依存した負担構造は依然として残っており、むしろ改革の必要性はさらに高まっていると言える。
そうした今だからこそ、「ポスト2025」の提言で掲げた取り組みを実行していかなければならない。全国大会では、国会議員をはじめ関係各方面に向け、国民皆保険を維持しながら持続可能な社会保障制度を実現すること、提言に掲げた改革を先送りすることなく、着実に実行していくこと、そして現役世代の負担軽減につながる制度改革を進めることを強く訴える。
そして何より、本年は最初の健保組合の設立から100年という大きな節目の年である。先人たちが築き上げてきた100年の歩みと実績を礎に、私たちは次世代に向けた責任を果たしていかなければならない。
国民皆保険制度は、国民の健康と安心を支える社会の基盤だ。この貴重な制度を将来世代へ確実に引き継ぐためには、今こそ健保組合が一致団結し、制度改革の実現に向けて行動を起こすことが必要だ。
本日の理事会では、これらの全国大会に向けた議題を中心にご審議いただく。全国大会は私たちの考えや主張を広く社会に発信する極めて重要な機会だ。全国大会の成功に向け、ぜひ忌憚のない意見と活発な議論を賜るようお願い申し上げ、開会のあいさつとさせていただく。