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健保ニュース 2026年9月下旬号

対象医薬品の長期使用への配慮
6か月使用後に医師が必要性を判断
OTC類似薬の一部保険外療養

厚生労働省は11日の社会保障審議会医療保険部会(部会長・岩村正彦東京大名誉教授)に、OTC類似薬の一部保険外療養の施行に向け、医師が対象医薬品の長期使用の必要性を判断する際の取り扱いを提示した。客観的な目安として年間50週の継続使用の基準を維持しつつ、6か月程度の使用実績と、その後の年間を通じた使用の要否に係る医学的判断を組み合わせて確認する。医師が必要性を認めた場合、6か月経過後は別途負担の対象外とする。このほか厚労省は、アトピー性皮膚炎へのステロイド外用薬のプロアクティブ療法を別途負担の対象外にすることと、指定難病の登録者証に代わる確認書類を提示した。委員から異論はなく、この方向で取りまとめに向かう。

長期使用の配慮については、厚労省の技術的検討会の中間まとめで、「少なくとも半年間の当該医薬品の使用の継続が確認され、当該医薬品の年間を通した長期使用等(直近の実績を含め少なくとも50週の継続)が医療上必要であると医師が認めている状態」である場合に、別途負担の対象外にすると整理されていた。今回の厚労省の提案で、50週の処方実績を必ずしも求めないことを明確にした。

患者団体からのヒアリングでも、50週という客観的な基準のみで判断せず、治療歴や医師の管理下にあることなどを総合的に考慮するよう求める意見があり、厚労省が制度の円滑な施行に向けた論点に挙げていた。

確認にあたっては、医師の負担に配慮し、オンライン資格確認で得られる薬剤情報など「診療時に患者が示す把握可能な情報を活用して、過去の診療経過または処方歴を確認することで足りる」とした。

アトピー性皮膚炎へのステロイド外用薬のプロアクティブ療法(再燃を繰り返す皮疹に間欠的にステロイド外用薬などを塗り、寛解状態を維持する治療法)は、診療ガイドラインに有効性が示されていることを踏まえ、別途負担の対象外にするとした。

症状が出た場合のみ使用するリアクティブ療法の場合は、別途負担の対象となる。

指定難病患者の確認書類は、特定医療費(指定難病)受給者証か登録者証を基本にしつつ、代替書類として、登録者証の申請にあたり自治体が用いる確認書類を提案した。具体的には、診断基準を満たすが重症度基準を満たさないことなどを理由とする不認定通知書や、難病指定医が作成する臨床調査個人票(写しも可)を挙げた。

指定難病の登録者証が近年開始された制度であり、申請から発行までに一定の期間を要することを考慮し、代替書類での確認は令和9年度までの時限措置とする。

また、医療現場での円滑な制度運用に向けた対応として、医師や医療機関の判断のばらつきを抑えるため、具体的な事例や判断の考え方を可能な限り明確化するとともに、医療現場への周知を図るとした。この日の部会には、「がん治療中」の考え方を例示した。

健保連の米川孝副会長は対象医薬品の長期使用の配慮について、事前の想定には限界があるとして、施行後にデータを集めて速やかに検証し、患者像や症状をフィードバックするなど、「医療現場がうまく対応できる仕組みにすることが重要だ」と主張した。

また、円滑な運用にあたっては、患者にとって負担の有無がわかりやすいことが大事だとして、「保険者としても、厚労省が作成する広報ツールを活用し、加入者への周知広報に積極的に取り組む」と述べた。

城守国斗委員(日本医師会副会長)は、制度施行により医療機関や薬局では負担増が見込まれるとして、「円滑な施行に向けた対応を一刻も早く整理、実施してほしい」と要望した。試行運用を行い、施行までに問題点の把握と解決も求めた。

大黒宏司専門委員(日本難病・疾病団体協議会代表理事)は、指定難病患者の確認について、登録者証を所持する人が少ない上、厚労省が示した代替書類は必ずしも手元に残す書類ではないとして、「確認書類に関する周知を徹底し、患者の不利益にならないようにしてほしい」と主張した。

野口晴子部会長代理(早稲田大教授)は、制度の円滑な運用に向けたポイントとして、電子処方箋を含む医療DXの推進を挙げた。長期にわたる治療の間には、利用する医療機関や薬局、医薬品の数量・種類が変わることがあり得るとして、「医療機関や薬局をまたいで情報を共有する基盤、インフラ整備が非常に重要だ」と指摘した。

また、施行後の患者負担の変化や受診行動の検証にあたっては、データが自動的に蓄積される仕組みにすることが重要だとした。「医療DXを事務の効率化だけでなく、公平な制度運用とエビデンスに基づく政策立案を可能にするデータインフラとして整備してほしい」と主張した。

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