健保ニュース
健保ニュース 2026年9月中旬号
OTC類似薬の一部保険外療養
中医協総会 周知徹底求める声相次ぐ
厚生労働省は8月26日の中央社会保険医療協議会(会長・城山英明東京大大学院教授)に、令和9年3月のOTC類似薬の一部保険外療養の導入に向け、OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会の中間取りまとめを報告した。委員からは制度の円滑な導入に向け、患者や国民へのわかりやすい周知と、医療機関、薬局の負担軽減を求める意見が相次いだ。
中間取りまとめでは、①OTC医薬品では対応できない効能・効果の整理②がん患者や難病患者など別途負担に配慮が必要な患者・療養の範囲③現場の実務負担や患者の納得感を踏まえた運用ルール──について方向性を示している。
また、厚労省は保険医療機関において、処方された医薬品が対象77成分に該当するかや、年齢や生活保護受給の有無などの外形的な基準はシステムで確認し、がんや指定難病との関連性、長期使用の必要性などは医師が判断する実務フロー案を示した。
別途負担の対象となる場合は処方箋にその旨を記載する。対象外の場合は、その理由をレセプトに記載し、処方箋にも対象外であることを記すとした。
厚労省は中間取りまとめを社会保障審議会医療保険部会にも報告し、患者団体からのヒアリングや関係者の意見も踏まえ、別途の負担を求めない人と療養の範囲について、今年9月を目途に結論を得ると説明した。中医協総会でも引き続き議論する。
健保連の佐竹陽一理事は、一部保険外療養の導入について「医療保険制度の持続可能性を確保するために非常に重要な仕組みだ」と評価した。その上で、医療関係者だけでなく国民や患者、保険者が制度の趣旨を理解できるよう、幅広い周知、広報が不可欠だと指摘し、国に対して共通の広報ツールの作成、提供を求めた。
また、医師による別途負担の対象とするかの判断については、ばらつきが生じないよう、統一的な仕組みとするよう要請した。別途負担の対象外の理由をレセプトに記載する方針については、保険者や審査機関がその妥当性を確認できるよう、具体的に記載する運用を求めた。
江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、一部保険外療養創設の趣旨に理解を示した上で、成人アトピー性皮膚炎患者など長期療養患者へのさらなる配慮を求めた。
また、病名や薬の使用目的によって別途負担の有無が分かれる仕組みは複雑で、医師がその都度判断しなければならず、診療現場の負担増につながると懸念し、患者や国民へのわかりやすい説明や、医療機関・薬局のシステム改修への支援を求めた。