HOME > けんぽれんの刊行物 > 健保ニュース > 健保ニュース 2026年9月中旬号

健保ニュース

健保ニュース 2026年9月中旬号

9年度 健保組合予算概算要求
保険者インセンティブに43.5億円
「AIモデル」構築へデータ集積

厚生労働省は令和9年度予算の概算要求に、健保組合関係予算として、8年度当初予算比43億円増の1571億3380万円を盛り込んだ。増額の大半を占めるのは、新設の「成果創出促進のための保険者インセンティブ事業」で、43億5000万円を計上した。性差に応じた健康課題や加入者の属性に応じた先駆的な事業など、保険者による成果創出につながる保健事業に係る費用を補助し、その実績などのデータを集める。厚労省全体で、AIを活用して効果的な保健事業を提案する「AI予防医療モデル」の構築に、保険者インセンティブ分を含めて50億円を要求しており、残る6.5億円を、集めたデータを用いた基盤整備や実証事業に充てる。

概算要求の健保組合関係予算は、一般会計1569億5102万円(8年度当初予算比43億9431万円増)、復興特別会計1億8278万円(同696万円減)の計1571億3380万円(同43億8735万円増)を計上した。

一般会計の内訳は、▽事務費負担金=38億2467万円(前年度同額)▽特定健康診査・特定保健指導補助金=29億5122万円(前年度同額)▽高齢者医療制度円滑運営事業費補助金=6165万円(前年度同額)▽高齢者医療特別負担調整交付金=200億円(前年度同額)▽高齢者医療運営円滑化等補助金=1001億1348万円(同43億9431万円増)▽健康保険組合連合会交付金交付事業費負担金=300億円(前年度同額)──となっている。

事務費負担金は、8年度から始まった子ども・子育て支援金の徴収に係る事務負担を考慮し、7年度から8年度にかけて11億円余り増加した。9年度は8年度と同額を要求する。

保険者の義務的経費に占める後期高齢者支援金と前期高齢者納付金の負担が過大な保険者の負担軽減を目的とした高齢者医療特別負担調整交付金は、前年度と同額とした。

前期高齢者納付金の負担の伸びに着目して健保組合の負担を軽減する高齢者医療運営円滑化等補助金は、高齢者医療支援金等負担金助成事業に952億9870万円(前年度同額)、被用者保険運営円滑化推進事業に48億1478万円(同43億9431万円増)を要求する。

高齢者医療支援金等負担金助成事業のうち、高齢者医療支援金等の負担に対し行う助成事業には、950億4486万円(前年度同額)を計上した。

被用者保険の適用拡大による加入者増加に伴う法定給付費の増加に着目した財政支援には2億5384万円(前年度同額)を要求する。昨年成立した改正年金法により、短時間労働者の適用要件のうち企業規模要件の段階的な撤廃が決まっている。6年10月から従業員50人超となっているが、9年10月からは35人超に拡大されるため、支援を継続する。

被用者保険運営円滑化推進事業は、健保組合が取り組むレセプト・健診情報等を活用したデータヘルス推進事業に7500万円を計上した。成果連動型民間委託契約方式(PFS)の事業に係る費用補助の応募が増えていることを踏まえ、8年度当初予算から4431万円の大幅増となった。

新たに設けた成果創出促進のための保険者インセンティブ事業は、厚労省のAI予防医療モデルを構築する事業の一環。厚労省は、要求上限を設けず、複数年度の投資を前提とした「強く豊かな日本」投資枠を活用して予算を要求した。

9年度に基盤整備と実証事業、10~11年度に試行運用と並行してデータを集めて精度を高め、次期特定健診・特定保健指導、データヘルス計画が始まる12年度の本格運用を目指す。

健保連が実施する特定保健指導等支援の共同事業は3億4858万円、レセプト・健診情報等を活用したデータヘルス推進事業は4120万円で、いずれも前年度と同額を見積もった。

高額な医療費が発生した健保組合の財政影響を緩和するために健保連が行う高額医療交付金交付事業への財政支援に充てる健康保険組合連合会交付金交付事業費負担金には、前年度と同額の300億円を要求する。昨年末の閣僚折衝を踏まえ、8年度から時限的に200億円増額されている。

復興特別会計の内訳は、▽健康保険組合災害臨時特別補助金=1億8262万円(同695万円減)▽健康保険組合特定健康診査・保健指導補助金=15万円(同0.6万円減)──。対象地域の減少により、減額要求となった。

けんぽれんの刊行物
KENPOREN Publication

2026年
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年