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健保ニュース

健保ニュース 2026年8月下旬号

標準報酬月額の特例措置
療養などで報酬急減、翌月に改定
仕事との両立を支援

厚生労働省は、療養や育児、介護を要因に就労調整をして報酬が急減した場合、その翌月から健康保険料の算定基礎となる標準報酬月額を改定できる特例措置を講じることとし、7月31日付で、保険局保険課長などから健保組合理事長など関係者に通知した。厚生年金も同様の取り扱いとする。恒久的な仕組みとして、令和9年1月1日から適用する。

特例措置は、療養などと仕事の両立を支援する観点から導入する。

療養中などの本人と職場が合意の下、所定労働時間の短縮など就労形態の調整(就労調整)を行った結果、標準報酬月額が2等級以上低下する場合に、通常の随時改定によらず、「より速やかに、現状に適合した形で、標準報酬月額を改定できる」ようにする。

随時改定は、3か月間の報酬の平均額で算出した標準報酬月額と従前の標準報酬月額を比べ2等級以上の差が生じると、4か月目に標準報酬月額が改定される。この場合、2等級以上低下しても、標準報酬月額が改定されるまでに3か月を要し、その間は、従前の高い標準報酬月額が維持される。

今回の特例措置は、報酬の急減を受けた標準報酬月額の改定が、通常の随時改定よりも2か月早く適用される。

具体的な特例措置の対象は、健康保険・厚生年金の被保険者、厚生年金保険70歳以上被用者で、①療養などと仕事を両立するための就労調整が行われている②従前の標準報酬月額に比べ2等級以上低下し、その状態が3か月以上続くと見込まれる③特例措置による改定を行うことを、対象者が書面で同意している──ことを条件とする。

③に関しては、特例措置による標準報酬月額の減少が、将来の年金給付の減少や傷病手当金、出産手当金に影響を与えることを対象者に十分説明し、同意を得ることが必要としている。

特例措置により改定された標準報酬月額は、定時決定月の前月の8月分保険料までが対象となる。

7~9月に特例措置により標準報酬月額が改定された場合は、定時決定が行われないため、9月以降の保険料も特例措置の額とする。

特例措置による改定後、就労調整が終了して報酬が増加し、増加した標準報酬月額が2等級以上上昇した場合は、報酬増となった初月に受ける報酬を新たな標準報酬月額として改定する。

特例措置の対象となる療養は、被保険者本人の傷病や家族の傷病の治療で被保険者が看護などをする場合とした。

育児は小学校就学前の子を被保険者が養育する場合、介護は要介護認定や要支援認定を受けている家族を被保険者が介護する場合とした。

報酬の急減による標準報酬月額の早期改定は、先の国会の健保法等改正案をめぐる審議の中で、野党議員が必要性に言及。通常の随時改定を待たずに、疾病に伴う報酬の減少が高額療養費制度の自己負担限度額引き下げに即時に反映されるよう提案した。

これに対し厚労省の間隆一郎保険局長(当時)は、「仕事と治療の両立支援の観点から、提案を真摯に受け止める」とし、「具体的な方策を早急に検討したい」と前向きな姿勢を示していた。

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