健保ニュース
健保ニュース 2026年7月下旬号
7年 国民生活基礎調査
子育て世帯 児童数1人が初の過半数
高齢者世帯は32%で過去最高
厚生労働省は15日、令和7年の国民生活基礎調査の結果を公表した。18歳未満の「児童のいる世帯」は917万4000世帯で、全世帯の16.7%にとどまった。このうち、児童数が「1人」の世帯は460万世帯で50.1%を占め、統計開始から初めて半数を超えた。「2人」の世帯は351万6000世帯(児童がいる世帯の38.3%)、「3人以上」の世帯は105万9000世帯(同11.5%)。
いずれも世帯数は減少傾向にあるが、児童数が複数の世帯が顕著に減っている。平均児童数は1.63人で、こちらも減少傾向にある。
一方、65歳以上の高齢者だけか、高齢者と18歳未満で構成する「高齢者世帯」は1754万6000世帯で全世帯の31.9%を占め、世帯数、割合ともに過去最高を更新した。
調査は保健、医療、福祉、年金、所得などを把握し、厚生労働行政の企画、立案に必要な基礎資料を得ることを目的に、昭和61年から3年ごとに大規模調査、中間の各年は簡易調査を実施している。
令和7年は14回目の大規模調査で、世帯票と健康票は18万7633世帯、所得票と貯蓄票は1万6921世帯、介護票は5260人の回答を集計した。
「単独世帯」が35%
1947万世帯で過去最多
昨年6月5日時点の世帯総数は5505万8000世帯。世帯構造別にみると、世帯員1人の「単独世帯」が1947万7000世帯(世帯総数の35.4%)で最も多かった。次いで、「夫婦のみの世帯」が1362万6000世帯(同24.7%)、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が1340万6000世帯(同24.3%)と続く。
「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」の増加を背景に世帯数が増加する一方、「平均世帯人員」は2.17人で減少が続いている。
「高齢者世帯」の内訳は、「単独世帯」が933万5000世帯(高齢者世帯の53.2%)、「夫婦のみの世帯」が755万9000世帯(同43.1%)。65歳以上の人は4024万5000人だった。
「児童がいる世帯」における母がいる世帯は878万3000世帯。このうち、母の「仕事あり」の世帯は713万5000世帯で、母がいる世帯の81.2%を占めた。内訳は、「正規の職員・従業員」が304万4000世帯、「非正規の職員・従業員」が314万4000世帯だった。「仕事あり」の世帯の割合と、そのうち「正規の職員・従業員」の世帯の割合は、いずれも年々増加している。
6年の平均所得575万円
7.3%増は過去最高
全世帯の6年の所得は575万2000円で、前年から7.3%増え、過去最高の増加率となった。世帯の種類別にみると、「高齢者世帯」336万1000円(前年比6.8%増)、「高齢者世帯以外の世帯」700万7000円(同5.1%増)、「児童のいる世帯」857万3000円(同4.5%増)だった。厚労省は高水準の賃上げを増加要因に挙げている。
全世帯平均の総所得を種類別にみると、「稼働所得」426万2000円(総所得の74.1%)、「公的年金・恩給」111万6000円(同19.4%)、「財産所得」16万円(同2.8%)などとなっている。
所得金額階級別の世帯分布は、「200万~300万円」が13.5%で最も多い。次いで、「300万~400万円」が13.0%、「100万~200万円」が12.2%と続く。中央値は451万円で、平均所得金額以下の世帯の割合は61.5%に上る。
所得が一定の基準に満たない世帯員の割合を指す「相対的貧困率」は15.0%で、3年前の大規模調査から0.4ポイント減った。「子どもの貧困率」は0.5ポイント減の11.0%だった。
「子どもがいる現役世帯」の世帯員の貧困率は9.0%で、このうち「大人が一人」の世帯員は44.7%と高かった。「大人が二人以上」の世帯員は6.7%。
生活意識の状況は、「大変苦しい」と答えた世帯が23.2%、「やや苦しい」が32.2%で、合わせて55.4%の世帯が「苦しい」と回答した。
がん検診受診率
男女とも肺がんが最高
40~69歳の過去1年間の「胃がん」「肺がん」「大腸がん」の検診受診率は、男女とも「肺がん」が最も高く、男性55.2%、女性49.5%。「大腸がん」は男性50.9%、女性46.2%、「胃がん」は男性48.8%、女性38.3%だった。
推奨受診間隔が2年に1回の「胃がん」「乳がん」「子宮頸がん」の過去2年間の検診受診率は、「胃がん」が男性55.9%、女性46.5%。女性の「乳がん」が51.0%、「子宮頸がん」が46.1%。
病気やけがの自覚症状のある「有訴者」は、人口千人あたり255.7人で、3年前の大規模調査に比べ20.8人減った。性別では、男性233.2人、女性276.7人だった。症状は男女とも「腰痛」が最も多い。
傷病で通院している「通院者」は人口千人あたり409.2人で、3年前の大規模調査に比べ8.1人減った。性別では、男性398.1人、女性419.7人。
傷病別にみると、男女とも「高血圧症」が最も多く、男性は「糖尿病」「脂質異常症」「歯の病気」「眼の病気」の順に多かった。女性は「脂質異常症」「眼の病気」「歯の病気」「腰痛症」の順。
20歳以上で「喫煙している者」の割合は、男性24.6%、女性6.6%。平成13年と比較すると、男性は全ての年齢階級で、女性は60~69歳を除く全ての年齢階級で減少している。男女とも、20~29歳が最も大きく低下している。
要介護者と介護者
ともに60歳以上が約8割
介護保険法上の「要介護者等」と「同居の主な介護者」について、年齢の組み合わせをみると、ともに「60歳以上」の割合は79.0%で8割に迫った。ともに「65歳以上」は61.9%、ともに「75歳以上」は37.1%で、いずれも増加傾向にある。
「同居の主な介護者」の介護時間は、「必要なときに手をかす程度」が49.3%で最も多く、次いで「ほとんど終日」が15.8%、「2~3時間程度」が10.7%、「半日程度」が10.1%と続く。
要介護度別にみると、要支援1~要介護2では「必要なときに手をかす程度」が多いが、要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多かった。
「要介護者等」を年齢階級別にみると、「90歳以上」28.1%、「85~89歳」25.2%、「80~84歳」21.7%の順に多く、年齢の高い階級が占める割合が年々上昇している。
介護が必要になった主な要因は、「認知症」が16.7%で最も多く、次いで「高齢による衰弱」が15.6%、「骨折・転倒」が14.6%と続く。
このうち、要支援者は「高齢による衰弱」(要支援者全体の17.7%)、「関節疾患」(同14.8%)、「骨折・転倒」(同14.7%)の順に高い。要介護者は「認知症」(要介護者全体の23.6%)、「骨折・転倒」(同14.8%)、「高齢による衰弱」(同14.5%)の順だった。