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健保ニュース 2024年3月下旬号

保健師・看護師等全国研修会
コラボヘルスで保健事業を推進

健保連は11日、12日の2日間で健保組合や健保組合加入の事業所に所属する保健師、看護師などを対象とした令和5年度「保健師・看護師等全国研修会」を開催した。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降はオンラインにより実施していたため、対面での開催は平成30年度以来、5年ぶり。

研修会では健保連の秋山実理事が主催者あいさつし、「健保組合は保険者のなかでも事業主と近い距離で連携しているため、より効果的な健康への取り組みを行っている」と発言。

そのうえで、「皆さんの日々の活躍のおかげで、健保組合の大きな役割の1つである保健事業に取り組めている」と研修会の参加者へ謝意を表明した。

また、秋山理事のあいさつに続き、厚生労働省保険局保険課の山下護保険課長が講演を行い、保健事業の方向性に言及。

健保組合に対し、事業主との協働により、事業主健診データ等との情報連携を行うなど、幅広いデータの収集を期待した。

特定保健指導については、アウトカムを重視した対応を要請。指導対象者自身が生活習慣改善の必要性を認識し、自ら行動変容するような取り組みの実施を研修会参加者へ求めた。

他方、マイナ保険証の活用については、「マイナ保険証によりマスデータから特異なデータを見つけ出す環境が整備される」として、データの比較による疾病リスクの要因分析等を期待した。

さらに、研修会1日目の事例発表では、「データで創る保健事業」をテーマに、▽関東ITソフトウェア▽パナソニック▽丸井▽デンソー─の各健保組合が、コラボヘルスをはじめとするそれぞれの取り組みを紹介した。

このうち、関東ITソフトウェア健保組合は、若年層に向けた保健事業として「生活習慣病予防プログラム」について説明。

週1回のペースで計12回、指定スポーツクラブでインストラクターが参加者の体力等に合わせた運動プログラムを作成・指導し、3か月後に評価を実施する。

パナソニック健保組合は、転倒・ロコモ予防対策として体力チェックと「健康パナソニックエクササイズ」を紹介。

体力チェックでは、筋力など5項目を測定し、測定結果を問診と組み合わせてからだ年齢や転倒危険度を表示するほか、健康パナソニックエクササイズでは、元気に働ける体力をつける観点から、上肢筋力などを鍛える8つの動きを取り入れている。

丸井健保組合は、女性特有のがん対策など、女性の健康のための具体的な取り組みを紹介。
 がん対策のうち、乳がんへの取り組みでは、啓発と受診環境を整備しているほか、子宮頸がんについては、セミナーの実施や、若年層を中心とした受診率向上に向けた施策として、「HPVセルフチェック」をトライアル導入し、検診受診率向上や早期発見・早期治療に努めている。

デンソー健保組合は、健康寿命延伸のための歯科口腔保健事業の取り組みを紹介。
 受診機会の多様化や歯科医師会との連携、健保組合間での連携を柱に位置づけ、▽家族連れで受診できる集団型▽歯科医院で個人が受診する診療所型▽7社で従業員健診時に実施する事業所型─のそれぞれの歯科健診に取り組んでいると説明した。

研修会2日目では、「行動変容を促す保健指導を考える」をテーマに、ATグループ健保組合およびSGホールディングスグループ健保組合が事例発表。

ATグループ健保組合は、外部委託による特定保健指導の実施について紹介した。
 特定健診・保健指導の実施率向上の観点から、委託業者や指導プログラムの選択制を導入しているほか、健康スコアリングレポートを委託業者と共有し、健康課題の改善を図っている。

他方、SGホールディングスグループ健保組合は、加入者の業務特性を踏まえた特定保健指導の取り組みを紹介。

特定保健指導の実施率向上に向け、営業所・支社・事業会社毎の特定保健指導「進捗シート」を毎月提出することとしたほか、指導対象者へ向けたオリジナルリーフレットの送付などに取り組んでいる。

このほか、一般社団法人新潟県労働衛生医学協会が「第3期特定保健指導モデル実施等の実際について」を発表し、健診実施機関の立場から、▽特定保健指導▽モデル実施─の取り組みを紹介した。

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