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健保ニュース 2024年2月中旬号

令和5年度上期の概算医療費
前年同期比4%増の24兆円
被用者保険は5%超の伸び率に

厚生労働省はこのほど、「最近の医療費の動向(メディアス)」令和5年度9月号を公表した。5年4~9月の5年度上期概算医療費は23.5兆円で、前年同期と比較し4.0%上昇。前年同期比3.1%増の22.6兆円だった4年度上期概算医療費から1兆円近く増加した。制度別概算医療費の被用者保険は、本人が同6.1%増、家族が同4.3%増の全体で同5.2%増と大きく上昇。診療科別医科診療所の医療費は、産婦人科が同6%程度伸びており、4年度診療報酬改定で導入した不妊治療の保険適用の影響が継続している。

令和5年4月から9月の5年度上期概算医療費は23.5兆円で、前年同期と比較し4.0%増加した。休日数などの違いによる影響を補正すると、同3.8%増となる。

5年度上期概算医療費は、前年同期比3.1%増の22.6兆円だった4年4月~9月の4年度上期概算医療費からさらに0.9兆円増加した。

5年度の概算医療費は、▽4月(前年同月比2.8%増)▽5月(同5.0%増)▽6月(同3.1%増)▽7月(同4.0%増)▽8月(同4.9%増)▽9月(同4.2%増)─となり、いずれも3~5%程度のプラスの伸び率となった。

5年4~9月の5年度上期概算医療費をみると、制度別概算医療費は、被用者保険は本人が前年同期比6.1%増、家族が同4.3%増の全体で同5.2%増と大きく上昇した。これに対し、国保は加入者数の減少等を要因に同1.3%減少。後期高齢者(前年同期比6.2%増)と未就学者(同9.6%増)の伸び率が高い。

1人当たり医療費は同4.5%増で、▽被用者保険(同4.9%増)▽国保(同3.7%増)▽後期高齢者(同2.4%増)▽未就学者(同14.4%増)─。被用者保険は、本人同4.2%増、家族同6.6%増で、家族の伸び率が高い状況となっている。

診療種類別概算医療費は、医科入院外の同1.2%増に対し、医科入院は同5.7%増と大きく上昇。歯科は同1.9%増、調剤は同6.2%増だった。

医科入院は1日当たり医療費が同2.7%増で受診延日数が同2.8%増、医科入院外は1日当たり医療費が同0.2%減で受診延日数が同1.4%増、歯科は1日当たり医療費が同1.3%増で受診延日数が同0.6%増、調剤は処方箋当たり医療費が同0.1%増で処方箋枚数が同6.0%増。医科入院外の1日当たり医療費のみ減少した。

医療機関種類別概算医療費は、▽医科病院(同4.4%増)▽医科診療所(同1.2%増)▽歯科病院(同5.2%増)▽歯科診療所(同1.7%増)▽保険薬局(同6.2%増)▽訪問看護ステーション(同19.0%増)─で、いずれも上昇。歯科病院、保険薬局、訪問看護ステーションで伸び率が5%を超えている。

医科病院のうち、大学病院は同6.4%増、公的病院は同5.6%増、法人病院は同3.0%増、個人病院は同5.8%減。個人病院のみ減少した。

診療科別医科診療所の医療費は、▽耳鼻咽喉科(同11.6%増)、▽産婦人科(同5.9%増)▽眼科(同3.2%増)▽皮膚科(同2.3%増)▽小児科(同1.8%増)▽整形外科(同1.3%増)▽その他(同1.1%増)▽内科(同0.2%減)▽外科(同4.8%減)─で、内科と外科を除いて増加。

産婦人科は4年度上期の前年同期比36.9%増からさらに6%程度伸びており、4年度診療報酬改定で導入した不妊治療の保険適用等の影響が継続している。

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