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健保ニュース 2023年12月上旬号

中医協が不妊治療テーマに議論
4年度の医療費は896億円

中医協総会は11月17日、令和6年度の次期診療報酬改定に向けて、「不妊治療」をテーマに議論した。

不妊治療の保険適用は、政府方針を踏まえ、4年度の診療報酬改定で導入。答申書附帯意見では、改定による影響の調査・検証を行うとともに、適切な評価および情報提供のあり方等を検討するとされた。

この日の会合では、厚生労働省が不妊治療について、現状と課題を整理した。
 保険適用された不妊治療にかかる4年度の医療費は895億5622万6千円。レセプト件数は125万4422件、実患者数は37万3575人だった。

主な診療報酬点数の4年度における算定回数は、①一般不妊治療管理料(31万3900回)②生殖補助医療管理料1(42万8098回)③同2(19万947回)─。また、5年7月1日時点の届出医療機関数は、①2059施設②411施設③209施設─となっている。

胚凍結保存の開始日から起算して3年を限度として算定できる「胚凍結保存管理料」の4年度における算定回数は14万5691回で、「2個から5個まで」の場合が6万8636回で最も多かった。

不妊治療の現状を踏まえ、厚労省は、▽保険診療の実施状況等を踏まえた影響▽年齢・回数にかかる要件等の取り扱いを変える必要性▽胚凍結保存管理料の算定できる保存期間の取り扱い─を論点として提示した。

診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は、一般不妊治療管理料の「不妊症の患者にかかる診療を年間20例以上実施」という施設基準を満たせない地域があると指摘し、患者の安全性に配慮したうえで見直しを検討すべきと主張した。

健保連の松本真人理事は、「不妊治療の保険導入により、健保組合への影響も相当程度生じている」と言及。保険適用の影響を検証したうえで、課題があれば適切に対応すべきとの考えを示した。

他方、情報提供のあり方について、医療機関の基礎情報や治療内容、治療実績データ等の必須項目を充実することは患者にとって重要で望ましい方法と強調し、検討を進めるよう求めた。

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