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健保ニュース 2023年12月上旬号

医療保険者関係団体が次期改定へ要請書
診療報酬引き上げの環境にない
配分見直し メリハリある改定不可欠

健保連など医療保険者関係6団体は11月27日、令和6年度診療報酬改定に関する要請書を武見敬三厚生労働相へ提出した。限界にある国民負担の状況などを総合的に勘案する必要があると指摘し、「患者の負担増や保険料の上昇に直結する安易な診療報酬の引き上げを行う環境にはない」と強調。大胆な配分の見直しにより実現を図るなど、真に有効でメリハリの効いた診療報酬改定が不可欠とした。健保連の松本真人理事は、要請後の記者会見で、「健保組合財政の大幅な赤字が見込まれるなかで、国民皆保険の持続可能性を確保していくためには、診療報酬を引き上げる環境にない」と強く訴えた。

医療保険者関係団体は、令和4年度の医療費は過去最高の46兆円規模にまで拡大し、今後も生産年齢人口が減少するなかで、団塊世代の後期高齢者への移行が進むなど高齢化に伴い医療費はますます増加する見通しと危機感を露わにした。

他方、第24回医療経済実態調査の結果から、「一般病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局のいずれも資本が増加し、医療機関・薬局の経営は堅調と言える」と指摘した。

これまで長期にわたり、賃金・物価の伸びを医療費の伸びが上回る構造が続いてきたことで、国民・事業主の保険料負担と患者自己負担は着実に増加し、医療保険財政は限界に近い状況にあると問題提起。

医療保険制度の持続可能性を確保するため、医療の質を担保しつつ、効率化や適正化の取り組みが極めて重要との認識を示し、地域医療構想にもとづく病床再編の推進、かかりつけ医機能に関する制度整備等を踏まえ、医療機能の分化・強化と連携を加速させる必要性を訴えた。

また、薬価・材料価格改定については、革新的新薬のイノベーションへの十分な配慮、後発医薬品の安定供給の確保等を着実に進めるとともに、市場実勢価格の低下に伴う引き下げ分を国民に還元すべきとの考えを示した。

令和6年度診療報酬改定に関する要請(PDF)

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