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健保ニュース 2023年7月下旬号

厚労省メディアス・4年度2月
概算医療費4~2月で3.7%増
4年度は4%程度の伸び率に

厚生労働省の「最近の医療費の動向(メディアス)」令和4年度2月号によると、5年2月の概算医療費は前年同月比で10.4%増加し、伸び率は前月の5.1%増から2倍超増えた。休日数などの違いによる影響を補正した伸び率は同9.3%増となることが明らかになった。

また、4年4月から5年2月の11か月分の概算医療費は前年同期比で3.7%増加。補正後でも同3.7%上昇した。

新型コロナが影響した2年度概算医療費は患者の受診控えなどを要因に前年度比3.1%減少する反面、前年度の大幅減の反動から増加に転じた3年度概算医療費は同4.6%増加。前年度の伸び率が高止まりしている4年度概算医療費は4%程度の伸び率となる見通しだ。

制度別に5年2月の概算医療費をみると、被用者保険は本人が前年同月比8.7%増、家族が同14.2%増の全体で同10.6%増加した。前年の4年2月に同0.1%減とマイナスの伸び率となった「家族」が大幅なプラスの伸び率へと反転した。

国民健康保険は同4.1%増で、75歳以上の後期高齢者は同14.1%増、未就学者(再掲)は同25.2%増。前年の4年2月に同0.1%増の後期高齢者と同3.3%減の未就学者は2桁を超える伸び率となった。

1人当たり医療費は同10.9%増で、被用者保険が同10.6%増、国保が同9.0%増、後期高齢者が同10.0%増、未就学者(再掲)が同30.7%増となっている。

診療種類別概算医療費は、医科入院が同17.4%増、医科入院外が同6.4%増だった。歯科は同8.4%増、調剤は同4.3%増で、前年の4年2月に同3.0%減だった医科入院が大幅なプラスの伸び率となった。

医科入院は1日当たり医療費が同8.3%増で受診延日数が同8.0%増、医科入院外は1日当たり医療費が同0.0%減で受診延日数が同6.4%増、歯科は1日当たり医療費が同2.9%増で受診延日数が同5.3%増、調剤は処方箋当たり医療費が同4.9%減で処方箋枚数が同9.7%増。受診延日数はいずれも大きく増加したが、医科入院外の1日当たり医療費と調剤の処方箋当たり医療費は減少した。

一方、4年4~5年2月の11か月分の概算医療費をみると、被用者保険は本人が前年同期比6.5%増、家族が同6.8%増の全体で同6.3%増。国保は同1.1%減、後期高齢者は同5.0%増、未就学者(再掲)は同5.8%増で、国保のみ減少した。

1人当たり医療費は同4.2%増で、被用者保険が同6.5%増、国保が同2.5%増、後期高齢者が同1.6%増といずれも増加。

診療種類別概算医療費は、医科入院が同2.4%増、医科入院外が同6.5%増、歯科が同2.3%増、調剤が同1.5%増で、医科入院外の伸び率が大きい。

医科入院は1日当たり医療費が同3.9%増で受診延日数が同1.6%減、医科入院外は1日当たり医療費が同3.5%増で受診延日数が同2.9%増、歯科は1日当たり医療費が同2.7%増で受診延日数が同0.4%減、調剤は処方箋当たり医療費が同2.4%減で処方箋枚数が同4.0%増。医科入院と歯科の受診延日数と調剤の処方箋当たり医療費が減少した。

医療機関種類別概算医療費は、医科病院同2.7%増、医科診療所同8.5%増、歯科病院同2.7%増、歯科診療所同2.3%増、保険薬局同1.5%増、訪問看護ステーション同17.9%増で、前年同期からいずれも上昇。医科診療所と訪問看護ステーションの伸び率が大きい。

主たる診療科別医科診療所の医療費をみると、4年度の診療報酬改定で4年4月から不妊治療の保険適用が導入されたこと等を要因に、産婦人科が同41.0%増と大幅に増加。このほか、小児科(前年同期比32.6%増)、耳鼻咽喉科(同19.1%増)、内科(同7.9%増)、眼科(同5.3%増)で大きなプラスの伸び率となった。

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