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健保ニュース 2023年7月中旬号

財務省が5年度予算執行調査
処方箋集中率高い薬局は調基料1から除外
地域体制加算は要件見直し

財務省は6月30日、予算の見直しや執行の効率化に資する取り組みである令和5年度予算執行調査の結果をまとめ、公表した。調査結果は、6年度予算の概算要求や今後の予算執行に確実に反映するよう、各府省に要請する。

厚生労働省に対しては、「調剤基本料1」の対象から処方箋集中率が高い薬局を除外することや、「地域支援体制加算」の算定要件を見直すべきと指摘した。

今回は、30件の調査事案のうち28件の結果を公表した。必要性や有効性、効率性の観点から調査を実施し、今後の改善点、検討の方向性を指摘している。

このうち、厚労省の調査事案に選定された「診療報酬(調剤報酬)」は、①調剤基本料1②地域支援体制加算─を算定している薬局の実態について検討を行った。

このうち、①は、「調剤基本料1」を算定している薬局の処方箋の集中率と受付回数の分布をみると、集中率70%超の薬局で全体の5割、集中率85%超の薬局で全体の4割を占めており、集中率が高い門前薬局でも「調剤基本料1」を算定可能な状況を明らかにした。

そのうえで、処方箋集中率が高い薬局は、「原則として調剤基本料1の対象から除外すべき」と指摘。処方箋の集中率70%超の薬局に「調剤基本料2」を適用した場合の医療費削減効果を機械的に計算すると▲400億円になると試算した。

また、②は、「調剤基本料1」を算定する薬局は、「地域支援体制加算」の要件が大幅に緩和されており、処方箋集中率95%超の薬局の4分の1程度、集中率85%超~95%以下の薬局の4割が加算を算定できる状況を明らかにした。

そのうえで、「地域支援体制加算」は、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局を評価するという趣旨に沿った要件になっていないと問題提起。

地域で在宅医療等の対応も含む服薬情報の一元的・継続的な情報連携に対応できる「地域連携薬局」の認定を「地域支援体制加算」の要件とすることで、▲1300億円の医療費削減効果になると例示した。

合わせて、処方箋集中率が高い薬局は原則として「地域支援体制加算」の対象から除外するなど、算定要件の見直しを行うべきと訴えた。

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