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健保ニュース 2023年7月中旬号

自民少子化対策調査・医療委員会
産科補償対象外に1200万円を特別給付
加藤厚労相に要請の申し入れ

自民党の少子化対策調査会(衛藤晟一会長)と社会保障制度調査会医療委員会(田村憲久委員長)は6月28日、平成21年から令和3年末日までの産科医療補償制度における旧基準の個別審査で補償対象外となった児等が4年改定基準に相当する場合に1200万円の特別給付金を支給する「産科医療特別給付事業の枠組み」を取りまとめた。

田村医療委員長が7月5日に加藤勝信厚生労働相を訪ね、要請の申し入れを行った。
 厚生労働省は今後、社会保障審議会医療保険部会に報告したうえで、省令改正の作業に着手する意向を示している。

産科医療補償制度の補償対象基準は、日本医療機能評価機構が設置する産科医療補償制度運営委員会等で学識経験者や医療保険者等による検討結果を踏まえつつ、医療保険部会における審議を経て適切に設定。4年1月の見直しでは、個別審査を廃止するという大幅な変更が行われた。

これに対し、旧基準の個別審査で補償対象外となった児を持つ保護者から、掛金相当分の額を支払ったにもかかわらず、保険金が支給されないことについて、4年改定基準を遡って適用し、産科医療補償制度の剰余金を活用した救済を求める声が上がっていた。

自民党の少子化対策調査会と社会保障制度調査会医療委員会は、産科医療補償制度の信頼を保ち、安定的な制度運営を行うため、この状況の早期解決を図るべく、関係者との調整を進めてきた。

こうした経緯から、両会は産科医療補償制度とは別に、平成21年から令和3年末日までの旧基準の個別審査で補償対象外となった児等について、4年改定基準に相当する場合、特別給付金を一時金で支給する事業を創設することを提案。

特別給付金は、▽平成21年から26年末日までに在胎週数28週以上33週未満で出生し脳性麻痺になった児または在胎週数33週以上かつ2000g未満で出生し脳性麻痺になった児▽27年から令和3年末日までに在胎週数28週以上32週未満で出生し脳性麻痺になった児または在胎週数32週以上かつ1400g未満で出生し脳性麻痺になった児▽先天性や新生児期の要因によらない脳性麻痺▽身体障害者障害程度等級1級または2級相当の上位麻痺─を満たす者を対象に支給する。

7年1月頃を目途に特別給付を開始し、給付額は1200万円(非課税)とする。
 給付金、給付にかかる事務経費および申請に要する諸費用の負担軽減のための財源については、関係者の理解を得て、産科医療補償制度の剰余金を活用。

当該剰余金の活用に伴い、将来の妊産婦の掛金相当分の負担軽減期間が短縮することについては、産科医療補償制度の長期的な安定運営に支障が生じないよう、特別給付の支給状況を勘案しつつ、8年を目途に政府が予定する出産育児一時金のあり方の検討を1つの目処として必要な検討を行うとした。
 国は、産科医療特別給付事業の設計に支援を行う。

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