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健保ニュース 2023年4月中旬号

松本理事が規制改革WGで意見
公費医療のオン資登録を要請

政府の規制改革推進会議は3月30日、「医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」(佐藤主光座長)の会合を開催し、各種レセプト関連業務のDXによる受診円滑化等について、3つのテーマから議論とフォローアップを行った。

健保連の松本真人理事が意見発表し、公費負担医療における受給資格・期間などの情報をオンライン資格確認等システムに登録することで、公費対象患者がマイナンバーカード1枚で医療保険と公費負担の受給が可能となるなどと主張した。保険者における地方自治体からの受給者情報を入力する業務の効率化をはじめ、国民・患者、医療機関等にメリットがあるとした。

この日に取り上げたテーマは①オンライン資格確認による公費負担医療制度の受給資格の確認②レセプト原本一元管理③社会保険診療報酬支払基金における審査支払事務のAI化に伴う審査委員会の運営見直し─。

①に関しては、乳幼児医療費助成制度をはじめとする公費による助成対象の医療を受ける場合、患者は当該助成の受給者証を医療機関等の窓口に提示しなければならない。この受給者証による資格確認について、関係大臣をメンバーとする「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会」の「中間とりまとめ」(令和5年2月)や政府の「医療DX推進本部」(本部長・岸田文雄首相)の「医療DXの推進に関する工程表(骨子案)」(同3月)においては、マイナンバーカードで行えるようにする方向性が打ち出されている。

②は、診療報酬請求や再審査申出の際に、被用者保険の保険者と支払基金の間で送受信しているレセプトの原本データを一元的に管理する。これにより、原本データの送受信をなくす。そのための方策として厚生労働省は3年1月の「審査支払機能の在り方に関する検討会」に、▽原本データは支払基金が管理し、保険者は支払基金に保管されている自組合の原本データにアクセス、連携する▽原本データは保険者が管理し、支払基金は原本データと常時同期した写しデータにより再審査申し出を処理する─2案を提示している。

③では、政府が2年7月に閣議決定した「規制改革実施計画」に沿って、厚労省から審査事務の集約や審査委員会運営の見直しなどの支払基金改革の進捗報告があった。

健保連の松本理事は、①について、健康保険証と同様に「受給資格・期間・助成の範囲(内容)・負担割合等」の情報をマイナンバーカードに格納するべきと論じた。これにより患者はマイナンバーカード1枚で保険者負担分と公費負担分の双方の受給が可能になるとした。

②については、再審査請求の事務などの効率化やセキュリティの強化、大規模災害等のリスク対応を理由に、導入に向けた検討の再開を要望した。

③については、支払基金の審査事務の効率化や合理化に合わせた、コスト構造に見合う適切な審査支払事務手数料の設定、在宅審査の検証と拡大などを求めた。

この日の議論では、①について具体的な事務に対する課題を提起する意見が出されたが、公費負担医療をオンライン資格確認の対象とすることをめざす方向性で基本的に一致した。

②については、2案が示されているなか、コンセンサスを得ながら取りまとめることが行政の役割であるとして、厚労省に実施時期を明確化した工程を明らかにするよう求める意見があった。

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