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健保ニュース 2023年3月下旬号

加藤厚労相が国会で所信表明
全世代型社会保障の構築が必要
医療制度改革等を着実に推進

加藤勝信厚生労働相は7日の参院厚生労働委員会(山田宏委員長、自民)で、今通常国会における厚労行政の基本施策などについて所信表明を行った。

感染症法上の位置づけの変更に伴い、新型コロナウイルス感染症への対応は大きく変わると言及。国民からの理解と協力を得ながら、円滑な5類移行に向け万全の準備を進めていくとした。

他方、国民1人ひとりが将来に希望を持ち、安心して生活できる社会の実現に向け、すべての国民がその能力に応じて負担し、支え合う「全世代型社会保障」の構築が必要と強調。

全世代型社会保障構築会議の「報告書」も踏まえつつ、医療・介護制度改革等の実現に向けた取り組みを着実に進める方針を示した。

また、▽出産育児一時金に係る後期高齢者医療制度からの支援金の導入▽後期高齢者医療制度における後期高齢者負担率の見直し▽かかりつけ医機能が発揮される制度整備─などを盛り込んだ法案を今国会に提出したと述べた。

出産育児一時金は、令和5年4月から支給額を50万円へ8万円増額するとともに、出産費用の見える化を進めるとした。

医療分野では、今般の感染症対策で得た知見を踏まえ、地域医療構想や医師偏在対策などを一体的に進めると言及。地域の医療機関の外来機能を明確化し、機能分化・連携を推進するとともに、6年度から始まる第8次医療計画の策定に向けた準備を丁寧に進めるとした。

さらに、「2024年は、6年に一度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の同時改定が行われる節目の年だ」と強調し、「国民1人ひとりに必要なサービスが適切に提供されるよう、同時改定に向けた検討を進める」と述べた。

医療DXについては、質の高い医療の提供や医療情報のさらなる利活用の観点から、電子カルテ情報の標準化等を進めるとともに、全国医療情報プラットフォームの創設やその基盤となるオンライン資格確認等システムの導入徹底、診療報酬改定DX、電子処方箋の着実な普及拡大に取り組む方針を明示。

さらに、国民が健康・医療情報にもとづくより良い医療を享受できるよう、令和6年秋の健康保険証廃止をめざし、マイナンバーカードと保険証の一体化を加速するとした。

また、医薬品等の品質および安定供給の確保を図り、革新的な医薬品開発を促進する環境整備に取り組むため、現状の課題を踏まえつつ、医薬品産業や流通・薬価制度のあり方の検討等を幅広く進める考えを示した。

このほか、いわゆる「130万円の壁」の解消に向け、短時間労働者への被用者保険の適用拡大を進めつつ、対応策を検討すると言及。

また、こども政策担当相の下で、5年3月末を目途に具体化することとしている「こども・子育て政策に関する検討」についても積極的に取り組む意向を示した。

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