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健保ニュース 2023年2月下旬号

令和4年度上期概算医療費
前年同期比3.1%増の23兆円
産婦人科は37%増と大幅上昇

厚生労働省はこのほど、「最近の医療費の動向(メディアス)」令和4年度9月号を公表した。4年4月から9月の4年度上期概算医療費は22.6兆円で、前年同期比3.1%上昇。新型コロナウイルス感染症に伴う受診控えの反動で同6.7%伸びた3年度上期から0.7兆円増加した。コロナ禍前の元年度上期と比べても4.6%伸びている。診療科別医科診療所の医療費は、産婦人科が同36.9%増と3年度上期の同4.6%増から8倍超も伸びており、4年度診療報酬改定で導入した不妊治療の保険適用の影響が顕著に現れた。

令和4年4月から9月の4年度上期概算医療費は22.6兆円で、前年同期と比較し3.1%増加した。休日数などの違いによる影響を補正すると、同3.0%増となる。

新型コロナウイルス感染症に伴う患者の受診控えの反動で前年同期比6.7%増の21.9兆円と、大幅な伸びとなった3年4月から9月の3年度上期概算医療費からさらに0.7兆円増加。コロナ禍前の元年度上期概算医療費(前年同期比3.3%増の21.6兆円)と比べても、4.6%増加している。

4年度診療報酬改定は、医療機関や薬局の実質的な経営原資となる技術料本体を0.43%引き上げた。

リフィル処方箋の導入・活用促進による効率化で▲0.1%、小児感染防止対策にかかる加算措置(医科分)の期限到来で▲0.1%の財源を捻出する一方、不妊治療の保険適用と看護師の処遇改善にそれぞれ0.2%を充当。これを除く実質的な本体改定率は0.23%で、各科改定率は医科0.26%、歯科0.29%、調剤0.08%とした。

4年度上期概算医療費は、▽4月(前年同月比0.7%増)▽5月(同5.4%増)▽6月(同3.7%増)▽7月(同2.7%増)▽8月(同3.1%増)▽9月(同3.4%増)─で、いずれもプラスの伸び率となった。

4年4~9月の4年度上期概算医療費をみると、被用者保険は本人が前年同期比5.9%増、家族が同5.3%増の全体で同5.4%増と大きく上昇。これに対し、国保は加入者数の減少等を要因に同0.7%減少。後期高齢者は同4.1%増、未就学者は同0.0%減だった。

1人当たり医療費は同3.7%増で、▽被用者保険(前年同期比5.9%増)▽国保(同2.4%増)▽後期高齢者(同1.0%増)▽未就学者(同4.1%増)─となっている。

診療種類別概算医療費は、医科入院の同1.0%増に対し、医科入院外は同6.5%増と大きく上昇。歯科は同2.9%増、調剤は同1.0%増だった。

医科入院は1日当たり医療費が同2.8%増で受診延日数が同1.9%減、医科入院外は1日当たり医療費が同3.3%増で受診延日数が同3.1%増、歯科は1日当たり医療費が同2.7%増で受診延日数が同0.2%増、調剤は処方箋当たり医療費が同2.3%減で処方箋枚数が同3.4%増。医科入院の受診延日数と調剤の処方箋当たり医療費が減少した。

医療機関種類別概算医療費は、▽医科病院(同1.8%増)▽医科診療所(同8.1%増)▽歯科病院(同3.4%増)▽歯科診療所(同2.9%増)▽保険薬局(同1.0%増)▽訪問看護ステーション(同17.0%増)─で、いずれも上昇。医科診療所と訪問看護ステーションの伸びが大きい。医科病院のうち、大学病院は同3.1%増、公的病院は同2.3%増、法人病院は同1.1%増、個人病院は同8.3%減だった。

診療科別医科診療所の医療費は、▽産婦人科(前年同期比36.9%増)▽小児科(同29.4%増)▽耳鼻咽喉科(同14.8%増)▽内科(同8.0%増)▽眼科(同5.7%増)▽その他(同3.7%増)▽整形外科(同3.2%増)▽外科(同2.9%増)▽皮膚科(同1.7%減)─で、皮膚科を除いて増加。

産婦人科は3年度上期の前年同期比4.6%増から8倍超の36.9%へと大きく伸びており、4年度診療報酬改定で導入した不妊治療の保険適用等の影響が顕著に現れた。

4年9月の概算医療費
前年同月比で3.4%増

令和4年9月の概算医療費は前年同月比で3.4%増加した。休日数などの違いによる影響を補正した伸び率は同3.6%増となることが明らかになった。

制度別に9月の概算医療費をみると、被用者保険は本人が前年同月比4.5%増、家族同8.0%増の全体で同5.5%増加した。75歳以上の後期高齢者は同5.4%増、国民健康保険は同2.0%減。一方、未就学者(再掲)は同12.2%増と大幅な伸びとなった。

1人当たり医療費は被用者保険が同6.1%増と高い伸びを示し、国保が同1.2%増、後期高齢者が同1.8%増、全体で同4.0%増加した。

診療種類別概算医療費は、医科入院が同1.0%増、医科入院外が同6.7%増。また、歯科は同2.1%増、調剤は同2.2%増だった。

医科入院は1日当たり医療費が同3.2%増で受診延日数が同2.2%減、医科入院外は1日当たり医療費が同2.8%増で受診延日数が同3.8%増、歯科は1日当たり医療費が同3.4%増で受診延日数が同1.2%減、調剤は処方箋1枚当たり医療費が同2.7%減で処方箋枚数が同5.0%増だった。

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